”避けることができない”
「経営面への影響は『不可避』」「世論の猛反発は『不可避』」「外交関係の悪化は『不可避』」......。
みなさんもニュース記事の見出しで、このような表現を見たことがあるでしょう。
ところで、この「不可避」という言葉には、どのような意味や使い方があるのでしょうか?
「不可避」の読み方と意味とは?
まずは「不可避」という言葉の読み方と意味の確認からしましょう。
「不可避」の読み方は、”ふかひ”。
使われている漢字を分解して考えると、「不可」は”~できない”こと、「避」は”避ける”こととなります。
- 「不可」=”~できない”こと
- 「避」=”避ける”こと
すなわち「不可避」とは、”避けることができない”ことを意味する言葉です。
- ”避けることができない”
「不可避」の基本的な使い方
続いて、基本的な使い方(基本パターン)を見てみましょう。
「不可避」は、どちらかというと特に記事の見出しなどで(字数を節約するために)用いられる傾向が強い言葉です。
例えば……。
- 経営面への影響は不可避
- 仕事への影響は不可避
- 世論の猛反発は不可避
- 技術の流出は不可避
- 外交関係の悪化は不可避
このような記事の見出しを、みなさんも見たことがあるでしょう。
「避けられない」や「回避できない」(あるいは「必須」など)といった言葉を、記事の見出しでコンパクトに表現するために、「不可避」を用いるケースが多いようです。
「不可避」を用いた具体的な文例
具体的な文例も考えてみます。
- A社で起きた検査データの改ざん問題では、取引先から製品の交換などに必要な費用を請求する動きが出始めており、A社の経営に影響を与えることは「不可避」であろう。
- 事件を起こし逮捕された俳優のB。CMやドラマなど、仕事への影響は「不可避」だ。
- 与党が検討しているさらなる増税に関しては、世論の猛反発は「不可避」だ。
このような文例が挙げられるのですが、先ほども述べた通り「不可避」は、どちらかというと記事の見出しなどで(字数を節約するために)用いられる傾向が強い言葉です。
ですから、上記のような文例では、実際には「不可避」よりも「避けられない」や「回避できない」(あるいは「必須」など)といった言葉の方が、よく使用されている印象を受けます。
つまり、コンパクトに表現したい場合には「不可避」、字数に余裕のある場合には「避けられない」や「回避できない」と表現するとよいかもしれません。
ネットスラング「草不可避」の意味とは?
ちなみに SNS やインターネット上では、「草不可避」(読み方:”くさふかひ”)という言葉が頻繁に用いられます。
ここで言う「草」とは、”面白い”ときや、”可笑(おか)しい”ときに用いるネットスラング「www」のこと。「www」の形がまるで「草」のように見えることから、そのように呼ばれます。
そして「草不可避」には、”草(=www)をはやさずにはいられない(ほど面白い)”、”とても面白い”という意味があります。
- ”草(=www)をはやさずにはいられない(ほど面白い)”
- ”とても面白い”
※いわゆる「なんJ語」に分類される。同義語には「草生える」「大草原不可避」
SNS やインターネット上では日常的に使用される言葉ですが、もちろんネットスラングであるためビジネスメールでは絶対に使わないように気をつけましょう。
「不可避」の同義語・類義語
同義語・類義語についても考えてみましょう
「不可避」に似た言葉には「避けられない」や「回避できない」、「必須」などといった言葉があります。
- 「避けられない」
- 「回避できない」
- 「必須」
いずれにせよ、「不可避」という言葉は社会人の常識として意味を知っておきたいところです。ただし、くれぐれも「草不可避」はビジネスメールでは絶対に使わないようしてくださいね!
以上、「不可避」の意味と使い方についての説明でした。ビジネスパーソンのみなさんの参考になれば幸いです。
※本記事は2017年11月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。