「『有事』の際には、この島にも数十万人の難民が押し寄せてくると予測されている」「防衛省が用いる『有事』の概念は、一般的に自衛隊が防衛出動する事態を指しているとされている」......。
このように、ニュース記事で見かけることが多い「有事」という言葉。
なんだか不穏な空気が漂う言葉ですが、いったいどのような意味や使い方があるのでしょうか?
「有事」の読み方と意味とは?
まずは言葉の読み方と意味の確認から。
「有事」の読み方は”ゆうじ”。
”(特に)戦争や紛争、事変など軍事衝突が起き、非常事態になること”、という少し物騒な意味がある言葉です。
軍事衝突のみならず、自然災害や大事件、大事故、経済危機などといった非常事態に対しても用いられます(「無事」という言葉の反対だと考えてもよいでしょう)。
- ”(特に)戦争や紛争、事変など軍事衝突が起き、非常事態になること”
※自然災害や大事件、大事故、経済危機などに対しても用いる
新聞やテレビなどメディアでは、ストレートに「戦争」などと表現する代わりに、この「有事」という言葉を用います。
社会人として知っておきたい「有事の円買い」という言葉
社会人としては、「有事の円買い」という言葉も知っておきたいところ。
”世界情勢が悪化すると、市場では(安全資産だとされる)円が買われ円高になること”です。
- ”世界情勢が悪化すると、市場で(安全資産だとされる)円が買われ円高になること”
「有事」の基本的な使い方
続いて、基本的な使い方(基本パターン)を見てみましょう。
基本的には、以下のような表現で用いられます。
- 有事が起きる
- 有事の際
- 一朝有事の際
- 有事にあたり
- 有事に備える
- 有事の懸念が高まる
- 朝鮮半島有事
- 有事法制
- 有事の円買い
一般的に、このように用いられた際には、戦争など軍事衝突を指すことがほとんどです。
「有事」を用いた具体的な文例
具体的な文例も見てみましょう。
- うちの社長は、「有事」に備えて核シェルターを購入したそうだ。
- 「有事」の際には、この島にも数十万人の難民が押し寄せてくると予測されている。
- 裏山にある倉庫は元々は防空壕はだった。もし「有事」が起きたなら、あそこへ避難すればいい。
- 防衛省が用いる「有事」の概念は、一般的に自衛隊が防衛出動をする事態を指しているとされている。
- 朝鮮半島「有事」の懸念が高まる中、2017年の衆議院選挙が実施された。
- 朝鮮半島「有事」にあたっては、米国やオーストラリア、カナダを中心とした有志連合によって在韓邦人を避難させることが検討されている。
- 在韓米軍の兵士の家族らが、朝鮮半島「有事」を想定し退避訓練を行った。
- 多くのメディアは朝鮮半島「有事」が起こると予想しているが、そんなことは起きないほうがいいに決まっている。
- 今は「有事」の円買いと呼ばれるが、昔は「有事」のドル買い、金買いと呼ばれていた。
このように用いられます。
「有事」の同義語・類義語
同義語・類義語にはどのような言葉があるでしょうか?
似た言葉には「戦争」や「紛争」、「非常事態」などといった言葉があります。
- 「戦争」
- 「紛争」
- 「非常事態」
いずれにせよ、「有事」という言葉はニュース記事でも見かけることが多い言葉なので、社会人の常識として意味を知っておきたいところ。
いずれにせよ、起きないほうがいいのが「有事」なのです。
以上、「有事」の意味と使い方についての説明でした。みなさんの参考になれば幸いです。
※本記事は2017年11月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。