”初めの動き”はとっても大事!
「初動捜査」「初動対応」「初動枚数」「初動売上」......。
このようにニュース記事でも見かけることが多い「初動」という言葉。
この言葉には、いったいどのような意味や使い方があるのでしょうか?
「初動」の読み方と意味とは?
まずは、言葉の読み方と意味の確認から。
「初動」の読み方は”しょどう”。
文字通り、”初めの動き(=初期の動作・行動)”のことです。
- ”初めの動き(=初期の動作・行動)”
「初動」の基本的な使い方
「初動」という言葉は、基本的に次のように用いられます。
”初めの動き(=初期の動作・行動)”を念頭に置いて考えてみてください。
- 「初動捜査」
⇒ 警察が犯罪を認知した直後に行う捜査 - 「初動対応」
⇒ 事件や事故、トラブルなどに対する行政機関や企業の初期対応 - 「初動枚数」
⇒ 音楽CDやDVD、ゲームソフトなどにおける発売日から特定の期間の売上枚数 - 「初動売上」「初動セールス」
⇒ 商品などの発売日から特定の期間の販売総額
いずれの表現も、みなさんニュース記事で見聞きしたことがあるのではないでしょうか。
なぜ「初動」が大事なのか?
一般的に「初動」はとても大事なものだとされています。
例えば犯罪捜査。犯罪発生直後に警察が周辺の聞き込みを怠ったり、防犯カメラの画像を押さえるのを忘れて証拠画像が残っていない、あるいは犯罪の証拠となる品を紛失してしまう……。このように「初動捜査」でミスをしてしまうと、事件が迷宮入りしてしまう可能性が高まります。ですから、警察は事件発生直後に多くの捜査員を投入し「初動捜査」に力を入れます。
同様に震災など自然災害が起きた際には、政府の「初動対応」に注目が集まります。もし災害の発生直後の対応が悪ければ、「『初動対応』が悪かった」と非難されますね。
また、音楽CDやDVD、ゲームソフト(あるいは映画)の場合、「初動枚数」(「初動売上」)が後の販売総額に大きく影響を与えます。ですから発売前には話題を呼ぶために力を入れて宣伝し、「初動枚数」(「初動売上」)が伸びるように努力するのです。
企業が商品を販売する際、「初動」の数字がよければ「大ヒット確実!」となりますが、もし「初動」の数字がよくなければ「お通夜状態」となってしまうでしょう。
「初動」を用いた具体的な文例
具体的な文例も見てみましょう。
- A病院で起きた不審死事件は、「初動」捜査での致命的なミスもあり、迷宮入りするのではないかと噂されている。
- 各警察署に設けられている機動捜査隊は、犯罪発生の初期段階での犯人検挙を目的とし、事件発生の際には犯罪現場に急行し事件の「初動」捜査にあたる組織だ。
- 企業がネット炎上に巻き込まれた際には、「初動」の対応が肝心となる。
- 政府は今回の地震での「初動」対応の検証結果を取りまとめた。
- オリコンチャートにおける「初動」とは、発売日からの1週間、あるいは発売した日から最初のオリコン結果が発表される月曜日までの売上を指す。
- 音楽CDやDVDの売り上げピークは一般的に発売直後となるが、ノベルティグッズなどをつけた初回限定盤を用意することで「初動」売上を後押しする。
- A社が発売した小型ミニバンは「初動」セールスがすこぶるよく、大ヒットが予想されている。
このように用いられます。
「初動」の同義語・類義語
「初動」に似た言葉には「初めの動き」や「初期」などといった言葉があります。
- 「初めの動き」
- 「初期」
いずれにせよ、「初動」という言葉はニュース記事で見かけることが多い言葉なので、社会人の常識として意味を知っておきたいところです。
以上、「初動」の意味と使い方についての説明でした。みなさんの参考になれば幸いです。
※本記事は2017年11月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。