”面白い”の意味はない!

「あの人は『ユニーク』だ」「なかなか『ユニーク』な発想だ」......。

このように私たちの日常生活で頻繁に使用される「ユニーク」というカタカナ語。

「ユニーク」=”面白い”と意味を捉えている人が多いようですが、実は、そうではありません。

「ユニーク」の意味と使い方とは…”面白い”の意味じゃない!
ユニークは「面白い」の意味じゃない!

英単語 unique に由来するカタカナ語「ユニーク」

私たちが日常生活でよく目にする「ユニーク」は、英語の unique を語源とする言葉です。

英単語 unique の本来の意味には、《① ”たった1つの”、”唯一の”、”他にはない”》、それから《② ”独特な”、”風変わりな”》というものがあります。

英単語 unique の意味

”たった1つの”、”唯一の”、”他にはない”
”独特な”、”風変わりな”

私たちは「あの人は『ユニーク』だ」、あるいは「なかなか『ユニーク』な発想だ」などと聞くと、どうしても「ユニーク」=”面白い”と脳内変換してしまいがちです。

しかし、厳密には英単語 unique に”面白い”という意味はなく、上の二つのうちのどちらかの意味となります。

後述しますが、おそらく《② ”独特な”、”風変わりな”》が転じて、「ユニーク」=”面白い”というイメージになったのでしょう。

ちなみに、この内容は大学入試における単語の意味のひっかけ問題としても頻出内容です。



社会人として覚えておきたいカタカナ語「ユニーク」の意味

いずれにせよ、社会人としてはカタカナ語「ユニーク」の意味は、”面白い”ではなく、英単語 unique の意味をふまえて覚えておきたいところです。

すなわち……。

カタカナ語「ユニーク」の意味

”たった1つの”、”唯一の”、”他にはない”
”独特な”、”風変わりな”
 ※”面白い”の意味は本来ない

となるわけです。

余談ですが、とある大学教授が市民団体の独自の取り組みに対して「『ユニーク』な取り組みだ」とほめたところ「”面白い”って何だ!バカにしているのか!」と激怒されたことがあるのだとか。

このような事例もあるので、知的レベルが異なる人たちに対しては安易に「ユニーク」という言葉を使わないほうがよいこともあります

なぜ「ユニーク」=”面白い”と脳内変換してしまうのか?

でも、いったいなぜ、私たちは「ユニーク」=”面白い”と脳内変換してしまうのでしょうか?

あくまで推測ですが、おそらく私たちが中学、あるいは高校時代に、英単語 unique を覚える際に「次に覚える単語は unique かぁ、”たった1つの”、”風変わりな”……。覚えにくいなぁ……。あっ、そう言えば『ユニーク』って”面白い”奴のことを指すときに使うじゃん。なんかそれでも通じるし、”面白い”で覚えよう!超楽勝!」という人が多かったのではないかと思います。

「ユニーク」ユーザーとページビューの違い

ビジネスシーンで登場する「ユニーク」を、「ユニーク」ユーザーページビューの違いを例に考えてみましょう。

「ユニーク」ユーザーとページビューとは、インターネットにおけるウェブページへのアクセス数を計測する際に用いられる用語です。

「ユニーク」ユーザー(英: Unique User、略称:UU)とは、サイトを訪問したユーザーの人数のこと。同じユーザーが再び同じサイトにアクセスした場合には合算しないで、1ユーザーとカウントします。この「ユニーク」は、《① ”たった1つの”、”唯一の”、”他にはない”》の用法ですね。

そして、もう一方のページビュー(英: Page View、略称:PV)。こちらは、アクセスのあったページの総数のこと。「ユニーク」ユーザーとは異なり、1ユーザーが同じサイトに何度もアクセスした際には、その都度合算します。

「ユニーク」ユーザーとページビューの違い
  • ユニークユーザー(英: Unique User、略称:UU)
    同じユーザーが再び同じサイトにアクセスした場合には合算しないで、1ユーザーとカウント
  • ページビュー(英: Page View、略称:PV)
    1ユーザーが同じサイトに何度アクセスした際には、その都度合算

「ユニーク」の具体的な使い方(文例)

具体的な文例でも確認しましょう。

「ユニーク」を用いた具体的な文例
  • 「ユニーク」数を増やして回遊率を高めれば、PVは飛躍的に伸びる。( ⇒ ①の意味)

  • 彼のアイデアは「ユニーク」なアイデアだと思います。( ⇒ ②の意味)

  • 彼女の子供の名前は、なかなか「ユニーク」なものだ。( ⇒ ②の意味)

  • A社では、タバコ吸わない社員に対して特別手当を出したり有休を増やす「ユニーク」な制度を取り入れている。( ⇒ ②の意味)

  • 時短労働やフレックスタイムの導入といった、働き方に関する「ユニーク」な取り組みは、もっと増えてもいい。( ⇒ ②の意味)

このように用いられます。

というわけで、カタカナ語「ユニーク」という言葉、決して”面白い”の意味はないということをおわかりいただけたでしょうか。

「ユニーク」=”面白い”と意味を捉えている人も多いようですが、実は、そうではないということをビジネスパーソンとしては知っておきたいところです。

また、安易に「ユニーク」という言葉を使わないほうがよいケースもあることは肝に銘じておいたほうがよいでしょう。

以上、カタカナ語「ユニーク」の意味についての説明でした。ビジネスパーソンのみなさんの参考になれば幸いです。

カタカナ語「ユニーク」について深く知る参考リンク

※本記事は2017年11月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。


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タグ: IT関連