「Bさんのご逝去を悼み『謹んで』お悔やみ申し上げます」「『謹んで』新年のご挨拶を申し上げます」......。
このように、ビジネス文書をはじめ様々なシチュエーションで見聞きする「謹む(謹んで)」という言葉。
いったいどのような意味や使い方があるのでしょうか?
「つつしんで」は「謹んで」?「慎んで」?
「謹む」の読み方と意味とは?
先に「謹んで」の元の言葉である「謹む」の読み方と意味の確認をしましょう。
「謹む」の読み方は”つつし(む)”。
”相手に対して畏(かしこ)まること”という意味を持ち、「謹んで~」と表現することで敬意を示します。
「謹む」(読み方:”つつし(む)”)の意味
- ”相手に対して畏(かしこ)まること”
※「謹んで~」と表現することで敬意を示す
「謹む」と「慎む」の意味の違い
上でも述べたように、ビジネス文書などの定型文でよく見る「『つつしんで』お悔やみ申し上げます」のような「『つつしんで』~」の表現においては、「つつしんで」は「謹んで」と表記して敬意を示します。
同じ読み方をする言葉には「慎む」がありますが、こちらは行動や態度などが”過度にならないようにする”や、”控えめにする”といった意味があり、特に「~を『つつしむ』」といった表現で用います。
「謹む」と「慎む」の意味の違い
- 「謹む」 = 特に「謹んで~」で ”相手に対して畏(かしこ)まること”
- 「慎む」 = 特に「~を慎む」で”過度にならないようにする”、”控えめにする”
「謹む(謹んで)」を用いた具体的な文例
具体的な文例で確認しましょう。
まずは訃報のお知らせや弔電、葬儀の弔辞など、お悔やみの言葉で使用されるパターンから。
訃報のお知らせや弔電、葬儀の弔辞など
- ○月✕日、当会の会員であるAさんが逝去されました。「謹んで」御冥福をお祈りいたします。
- ここに生前のご厚誼に対し深く感謝するとともに、お別れの会を下記の通り執り行いますので「謹んで」お知らせいたします。
- Bさんのご逝去を悼み「謹んで」お悔やみ申し上げます。
- 「謹んで」Cさんのご霊前にお別れの言葉を捧げます。
- 震災によって亡くなった方々とそのご遺族に対し、「謹んで」哀悼の意を表します。
続いて、謝罪(お詫び)で用いられるパターン。
謝罪
- 本件に関し、関係者の方々には、ご迷惑とご心配をおかけすることになり、「謹んで」お詫び申し上げます。
- ○月✕日掲載の記事において、読者の方に誤解を与えるような表現がありました。「謹んで」お詫び申し上げます。
- 今回、皆様には多大なるご心配をおかけしていることを「謹んで」お詫びします。
また、新年の挨拶でもよく用いられます。
新年の挨拶
- 「謹んで」新年のご挨拶を申し上げます。
- 「謹んで」新年のお慶びを申し上げます。
- よき新春を迎えられたことと「謹んで」お喜び申し上げます。
余談ですが、「謹賀新年(読み方:”きんがしんねん”)」とは、”謹んで新年をお祝いすること”という意味です。
いずれにせよ「謹む(謹んで)」という言葉は、このように様々なシチュエーションで見聞きする言葉です。
以上、「謹む(謹んで)」の意味と使い方についての説明でした。みなさんの参考になれば幸いです。
「謹む(謹んで)」について深く知る参考リンク
- つつしむ
(Wiktionary) - 「謹んで」の意味は?
(Yahoo! 知恵袋) - 目上の人に出す年賀状の挨拶で、謹んでという言葉がなくても失礼に当たらないでしょうか?
(Yahoo! 知恵袋)
※本記事は2017年4月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。
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