謹んでお悔やみ申し上げます……

新聞などの訃報記事では、「死去」や「逝去」といった言葉がよく用いられます(また事件や事故の報道では「死亡」という言葉が使用されます)。

この「死去」と「逝去」という言葉には、何か意味や使い方に違いがあるのでしょうか?

というわけで、ここでは「死去」と「逝去」(さらには「死亡」)の意味や使い方について考えます。

人が亡くなったことを伝える言葉…「死去」「逝去」「死亡」の意味と使い方の違いとは?
謹んでお悔やみ申し上げます……

「死去」 ⇒ 人が亡くなったことを伝える際に広く一般的に用いられる

「死去」と「逝去」(さらには「死亡」)は、いずれも”人が亡くなること”を意味する言葉です。

まずは「死去」の読み方と意味から考えてみましょう。

「死去」は、”しきょ”と読みます。

人が亡くなったことを伝える際に、広く一般的に使われる言葉であり、新聞の訃報記事などで「○月✕日、○○氏が『死去』しました」のように用いられます。

「死去」(読み方:”しきょ”)の意味
  • ”人が亡くなること”
     ⇒ 人が亡くなったことを伝える際に広く一般的に用いられる言葉

「死去」という言葉に敬意が込められているという説と、込められていないとする説があります(※1)。



自分の身内が亡くなったことを伝える際には「永眠(いた)しました」

ちなみに新聞の死亡広告や喪中はがきなどで、喪主や家族、関係者が自分の身内が亡くなったことを伝える際には、「『死去』(いた)しました」ではなく、「永眠(いた)しました」のように「永眠」という言葉を用います。

自分の身内が亡くなったことを伝える際には?
  • 「永眠(いた)しました」
    (新聞の死亡広告や喪中はがきなど)

自分の身内が亡くなった際には、「死去」という言葉を用いないようにしましょう。

「死去」を用いた具体的な文例

「死去」を用いた具体的な文例を確認します。

「死去」を用いた具体的な文例
  • 12日、数々のベストセラーを生み出した作家のA氏が虚血性心疾患で「死去」した。
  • Bさんの「死去」を悼み、葬儀には数百人が参列した。
  • 県議会の議長を務めるC氏の「死去」に伴い、議長の職務は当面、副議長が代行する。
  • D氏は実父である創業者の「死去」に伴い2012年に社長に就任した。

このように用います。

”せいきょ”と読む「逝去」

続いては「逝去」。

「逝去」は、”せいきょ”と読みます。

「逝」の字には、”死ぬ”という意味があり、以下のような表現でも用いられます。

「逝」の字を用いた言葉の例
  • 「急逝」(読み方:”きゅうせい”) = ”突然亡くなること”
  • 「夭逝」(読み方:”ようせい”) = ”若くして亡くなること”
  • 「早逝」(読み方:”そうせい”) = ”若くして亡くなること”

「逝去」 ⇒ 「死去」の敬語表現?

「逝去」は「死去」と同様に、”人が亡くなること”を意味する言葉です。

ビジネス書の中には、「逝去」という言葉に”人を敬う気持ちが含まれている”、そして”「死去」の敬語表現”だと解釈しているものが複数あります。

確かに皇族の死を報じる新聞記事では「逝去」が用いられる(「死去」は用いられない)ことからもわかるように(※2)、「逝去」という言葉に”人を敬う気持ちが含まれている”点がある、つまり敬語表現であることは間違いないようです。

しかし、”「死去」は「逝去」の敬語表現”だとする点、すなわち「死去」は敬語表現ではなく「逝去」は敬語表現だとする点については判断が難しいところ(※1)です。

ただ、少なくとも、単に人が亡くなったことを伝えるのみならず、敬意を表していることをはっきりさせたい場合には、「死去」よりも「逝去」を用いたほうがよいかもしれません。

「逝去」(読み方:”せいきょ”)の意味
  • ”人が亡くなること”
     ⇒ 人が亡くなったことを伝える際に用いられ、敬意が込められていると解釈されている

ちなみに新聞や雑誌で有名人や芸能人の死を伝える記事や、会報で会員の死を伝える記事などで、「逝去」の言葉をよく見かけます。

また、自分の身内が亡くなったことを伝える際には、「死去」同様に「『逝去』(いた)しました」ではなく、主に「永眠(いた)しました」という表現を用います。

(※1)「死去」には敬意が込められておらず「逝去」には敬意が込められているという説や、「死去」も「逝去」も敬意が込められているという説、一般人の死を敬って「死去」を用い、貴人の死を敬って「逝去」を用いるという説など様々な解釈がある。

(※2)過去に皇族が亡くなった際には「逝去」ではなく「薨去」(読み方:こうきょ)を用いるべきだという議論がネット上では起きた。

「逝去」を用いた具体的な文例

「逝去」を用いた具体的な文例を見てみましょう。

「逝去」を用いた具体的な文例
  • 国際的に活躍したことでも知られる指揮者のA氏が、○月✕日、すい臓がんのため「逝去」した。
  • Bさんのご「逝去」を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。
  • Cさんは、自宅で家族に見守られながら「逝去」したそうだ。
  • D社は社長の「逝去」に伴い、常務が新社長に就任することを明らかにした。

このように用います。

「死亡」の読み方と意味とは?

最後に、事件や事故の報道で使われる「死亡」について。

「死亡」もまた、「死去」や「逝去」同様に”人が亡くなること”を表す言葉です。

ただし「死去」や「逝去」が、ある特定の個人の死をクローズアップして伝える際に用いられるのに対し、「死亡」という言葉は、事件や事故の結果としての人の死を伝える際や、生の概念の反対としての死について表したい際に用いられます。

例えば、事件や事故を伝える新聞記事では「3名が『死亡』した」、統計の数値に関する報道では「交通事故による『死亡』者数が減少傾向にある」といったように使われます。

「死亡」(読み方:”しぼう”)の意味
  • ”人が亡くなること”
     ⇒ 事件や事故の結果としての人の死を伝える際や、生の概念の反対としての死について表したい際に用いる

「死亡」を用いた具体的な文例

具体的な文例で確認します。

「死亡」を用いた具体的な文例
  • アメリカ中西部○✕州の商業施設で火災が発生し、これまでに3人が「死亡」、20人がけがをした。
  • きょう午後3時頃、○○市の国道で横断歩道を渡っていた女性が観光バスにひかれ、女性は全身を打つなどして現場で「死亡」が確認された。
  • 昨年、✕✕県の入浴施設でレジオネラ菌の集団感染が発生し、60代の男性1人がレジオネラ菌が原因の肺炎で「死亡」したという。
  • 県内の交通事故による「死亡」者数は減少傾向にある。

このように用いられます。


いずれにせよ「死去」と「逝去」、さらに「死亡」という言葉は、様々なシチュエーションで見聞きする言葉なので、社会人の教養として意味や使い方を知っておきたいところです。


以上、「死去」と「逝去」、さらに「死亡」の意味と使い方についての説明でした。みなさんの参考になれば幸いです。

「死去」「逝去」「死亡」について深く知る参考リンク

※本記事は2017年3月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。


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タグ: 違い 訃報