”ルールや仕組みが機能せず、形だけのものになること”
「ノー残業デーを制定したものの、実際には『形骸化』している企業も少なくないという」......。
このように、ビジネスシーンをはじめ様々なシチュエーションで見聞きする「形骸化」という言葉。
いったいどのような意味や使い方があるのでしょうか?
ほら、もう形骸化しちゃってるわけですし、この制度は廃止しましょうよ
「形骸化」の読み方と意味とは?
まずは読み方と意味の確認から。
「形骸化」の読み方は”けいがいか”。
”ルールや仕組みが機能せず、形だけのものになること”という意味があります。
「形骸化」(読み方:”けいがいか”)の意味
- ”ルールや仕組みが機能せず、形だけのものになること”
ちなみに「形骸」とは、”(魂が抜けた)肉体”という意味です。
同様の意味を持つ言葉には、「有名無実(化)」があります。
「形骸化」が用いられるシチュエーション
せっかくルールや仕組みを作ったとしても、時間の経過であったり現場の判断によって、形だけのものになってしまうことは、往々にしてあることです。
例えば、以下のような状況。
「形骸化」が用いられるシチュエーション
- ルールや仕組みの当初の理念が忘れられ機能しなくなった場合
- ルールや仕組みが現場の判断などで無視されている場合
- ルールや仕組みが当初の目的を果たさなくなった場合
このような際に、「形骸化する」や「形骸化している」と表現します。
「形骸化」を用いた具体的な文例
具体的な文例で確認しましょう。
「形骸化」を用いた具体的な文例
- 過去に不祥事が続発したA社は、再発防止策としてコンプライアンス委員会を設置していたが、今回の事件で「形骸化」していることが明らかになった。
- ノー残業デーを制定したものの、実際には「形骸化」している企業も少なくないという。
- 経団連は、企業が大学生に内定を出す時期に関して指針を定めているが、 解禁前に多くの企業が内定を出しており、指針の「形骸化」が浮き彫りとなっている。
- 今回のバス事故を受けて開かれた会合では、法令を違反したバス会社への処分が「形骸化」しており、効果がない点が指摘された。
- 平成27年12月より、常時使用する労働者数が50人以上の事業者に対しストレスチェックが義務化されたが、早くも「形骸化」しているのではないかとの声も出てきている。
- 国は通知を出しているものの、各都道府県の現場レベルで無視されているため、通知は「形骸化」している。
- 海外の環境団体が「日本における象牙の規制は機能しておらず『形骸化』している」と指摘した。
このように用いられます。
”ルールや仕組みが機能せず、形だけのものになること”という意味がイメージできたでしょうか。
「形骸化」の同義語・類義語
同義語・類義語についても考えてみましょう。
「形骸化」に似た言葉には、以下のような言葉があります。
「形骸化」の同義語・類義語
- 「有名無実化」
- 「形式化」
- 「名目化」
- 「形だけのものとなっている」
- 「名ばかりのものになっている」
- 「機能していない」
- 「無視されている」
いずれにせよ、「形骸化」という言葉はビジネスシーンをはじめ様々なシチュエーションで見聞きする言葉なので、社会人の常識として意味を知っておきたいところです。
以上、「形骸化」の意味と使い方についての説明でした。ビジネスパーソンのみなさんの参考になれば幸いです。
※本記事は2017年3月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。
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