「新空港の建設問題をめぐって、知事と県議会の間では『軋轢』が強まっている」「協調性に欠けるA氏は、職場内で無用な『軋轢』を生むトラブルメーカーであった」......。
このように様々なシチュエーションで見聞きする「軋轢」という言葉。
いったいどのような意味や使い方があるのでしょうか?
「軋轢」の読み方と意味とは?
まずは言葉の読み方と意味の確認から。
「軋轢」の読み方は”あつれき”。
この言葉は、難読漢字として各種試験問題でもよく出題されるので、読めるようにしておきましょう。
「軋轢」には、”人間関係において摩擦や対立、争いが起きること”という意味があります。
- ”人間関係において摩擦や対立、争いが起きること”
意味からもわかるように、常にネガティブなイメージを伴う言葉です。
不快な音がする様子を表す”きし(る)”
ちなみに「軋」の字と「轢」の字、送りがなをふると、それぞれ「軋る」「轢る」となり、”きし(る)”と読みます。
”きし(る)”とは、車輪がこすれてミシミシキーキーと不快な音がする様子を表した言葉です。
というわけで、これら”きし(る)”と読む二つの漢字を組み合わせた「軋轢」は、車輪がこすれてミシミシキーキーと不快な音がするような人間関係、すなわち”摩擦や対立、争いが起きること”を表すわけです。
余談ですが、人間関係における”摩擦や対立、争い”を表現する別の言葉には、「不協和音」という言葉もありますね。
「軋轢」の基本的な使い方
基本的な使い方(基本パターン)を見てみましょう。
基本的には以下のような表現で用いられます。
- 「軋轢を生む」
- 「軋轢が生じる(強まる)」
- 「軋轢の火種になっている」
「軋轢」を用いた具体的な文例
具体的な文例で確認しましょう。
- 子供の教育をめぐっては、夫婦間で意見が一致せず「軋轢」が生じることもある。
- 新空港の建設問題をめぐって、知事と県議会の間では「軋轢」が強まっている。
- 大国間の「軋轢」は、今後周辺諸国へと影響が広がっていく可能性がある。
- A国と周辺諸国の間の「軋轢」は、すでに沸点に達しているとされている。
- 新しく就任したA国の大統領は、「国民の生命と財産を守るために、他国との『軋轢』や摩擦も辞さない」と明言した。
- 協調性に欠けるA氏は、職場内で無用な「軋轢」を生むトラブルメーカーであった。
- いくら有能であるとはいえ、転職してきたばかりの人物を営業本部長に据えた今回の人事は、社内で「軋轢」を生んでいる。
このように用いられます。
ミシミシキーキーと不快な音がするような人間関係がイメージできるでしょうか?
「軋轢」の同義語・類義語
同義語・類義語にはどのような言葉があるでしょうか?
「軋轢」に似た言葉には、意味でも取りあげた「摩擦」や「対立」、「争い」といった言葉、それから「不協和音」、「不仲」、「不和」、「確執」、「敵対」、「いざこざ」、「もめ事」、「仲違(たが)い」、「齟齬(そご)」などといった言葉があります。
- 「摩擦」
- 「対立」
- 「争い」
- 「不協和音」
- 「不仲」
- 「不和」
- 「確執」
- 「敵対」
- 「いざこざ」
- 「もめ事」
- 「仲違(たが)い」
- 「齟齬(そご)」
いずれにせよ、「軋轢」という言葉は様々なシチュエーションで見聞きする言葉なので、社会人の教養として意味を知っておきたいところです。
ビジネスパーソンとしては、職場内で無用な「軋轢」を生みたくないものですね。
以上、「軋轢」の意味と使い方についての説明でした。みなさんの参考になれば幸いです。
- 軋轢
(Wiktionary) - 軋
(Wiktionary) - 轢
(Wiktionary) - 「ジレンマ」、「葛藤」、「軋轢」の意味の違いは何ですか?
(Yahoo! 知恵袋)
※本記事は2017年2月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。
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