読み方は”りょうふ”ではなく”はんぷ”

「B寺では、正月三が日に七難を払うとされる護符が『頒布』され、参拝者ら買い求める」「D県の企業約20社が、高品質の食材を会員に定期販売する『頒布』会方式の事業を立ち上げた」......。

このように様々なシチュエーションで見聞きする「頒布」という言葉。

いったいどのような意味や使い方があるのでしょうか?

「頒布会」に「頒布価格」…「頒布」の意味と使い方とは?
り……頒布?いや、は……頒布?

「頒布」の読み方は?

まずは言葉の読み方の確認から。

「頒布」は”はんぷ”と読みます。

読み方が難しいので注意しましょう。



「頒布」を”りょうふ”と読んでしまう人もいる

社会人の中には”はんぷ”と読むべきところを、”りょうふ”と読んでしまう人がいます。

実はこれ、おそらく漢字を勘違いしている、すなわち「頒」の字を「領」の字と間違えている可能性があります。

え、「『頒』の字も『領』の字も同じじゃないか、何を言っているんだ君は」ですって?

そんな人は、次の図をちょっと見てください。

「頒」の字と「領」の字の違い

ほら!違うんです!

それぞれの字の左側をよく見てみると「分」と「令」、全く違いますね。

そう、”りょうふ”と読んでしまう人は、左側が「令」、例えば「領土」や「領海」といった熟語で用いる「領」の字だと思い込んで、”りょうふ”と読んでいるのではないでしょうか。

左側が「分」である「頒」の字を用いた「頒布」は、”はんぷ”と読みます(まれにビジネス文章で左側を「令」とした「【領】布」と誤記しているケースもあるので気をつけましょう)。

「頒布」の意味と「配布」、「販売」との違い

そして「頒布」の意味。

「頒布」とは、基本的に「配布」と同様の意味を持つ言葉です。

ただし、どちらかというと”不特定多数に対し無償で配る”というイメージが強くなる「配布」に比べて、「頒布」では仲間内や会員など”特定少数に対し有償で配る”イメージが強くなります。

「販売」という言葉にも似ているのですが、やはり”不特定多数に対し”というイメージが強い「販売」に比べ、「頒布」は仲間内や会員など”特定少数に対し”というイメージが強くなります。

「頒布」(読み方:”はんぷ”)の意味
  • ”(仲間内や会員など)特定少数に対し有償で配る(=販売する)こと”

例えばビジネスにおいて「頒布会」方式と言えば、会費(=「頒布価格」)を払った特定の会員に対し、一定のサイクルで商品を送るような販売方式のことを意味します。

使用されるシチュエーションによってニュアンスが異なる

寺社で何か物品を販売する際など、「販売」という言葉を用いることがはばかられる際にも「頒布」という言葉は用いられます。

その一方で『著作権法』では、有償あるいは無償であるか、不特定あるいは特定多数であるかを問わず、著作物の複製物を譲渡又は貸与する行為を「頒布」と定義(第2条 第1項)しています。

このように使用されるシチュエーションによって、若干ニュアンスが異なってくるのが「頒布」という言葉です。

「頒布」の基本的な使い方

続いて、基本的な使い方(基本パターン)を見てみましょう。

基本的には、以下のような表現で用いられます。

「頒布」の基本パターン
  • 「頒布する」
  • 「頒布会(価格 / 物 / 数)」
  • 「頒布権」(著作権法)

「頒布」という言葉のイメージがつかみにくい人は、頭の中で「配布」や「販売」といった言葉に置き換えて考えるとわかりやすいかもしれません。

「頒布」を用いた具体的な文例

具体的な文例で確認しましょう。

「頒布」を用いた具体的な文例
  • コミックマーケットでは、毎回多くの同人誌が「頒布」されている。

  • 県内の交通史を研究し一冊の本にまとめたAさん。本は県内の図書館や学校に寄贈されたが、希望者には「頒布」するという。

  • B寺では、正月三が日に七難を払うとされる護符が「頒布」され、参拝者ら買い求める。

  • 地元の神社では、食べれば一年風邪をひかず福を招くとされる縁起物の郷土食が「頒布」された。

  • C社は、毎月1回(年12回)、厳選されたコーヒー豆が会員宅に届けられる「頒布」会を開始した。

  • D県の企業約20社が、高品質の食材を会員に定期販売する「頒布」会方式の事業を立ち上げた。

このように用いられますが、基本的には有償であると考えておけば、まず間違いありません。

「頒布」の同義語・類義語

最後に同義語・類義語について考えてみましょう。

「頒布」に似た言葉には「配布」や「販売」、「配る(こと)」、「ディストリビューション」などといった言葉があります。

「頒布」の同義語・類義語
  • 「配布」
  • 「販売」
  • 「配る(こと)」
  • 「ディストリビューション」

いずれにせよ、「頒布」という言葉は様々なシチュエーションで見聞きする言葉なので、社会人の教養として意味を知っておきたいところです。

繰り返しますが、読み方は”りょうふ”ではなく”はんぷ”です。くれぐれも注意しましょう。

以上、「頒布」の意味と使い方についての説明でした。ビジネスパーソンのみなさんの参考になれば幸いです。

「頒布」について深く知る参考リンク

※本記事は2017年2月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。


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タグ: 販売関連