「他人に『付和雷同』せず、主体性を持って生きることが大切だ」「なぜ勉強をするのか。それは他人の言説に惑わされ『付和雷同』するようなことにならないためだ」......。
このように様々なシチュエーションで用いられる「付和雷同」という四字熟語。
いったいどのような意味や使い方があるのでしょうか?
「付和雷同」の読み方と意味とは?
まずは言葉の読み方と意味の確認からしましょう。
「付和雷同」の読み方は”ふわらいどう”。
「付和雷同」とは、”主体性がなく、他者の意見に無批判で従うこと”といった意味を持つ四字熟語です。
意味を問う問題が入試をはじめとする各種試験で頻繁に出題されます。
(※本来は「附和雷同」と表記しますが、「付和雷同」と表記することが一般的になっているので、ここでは「付和雷同」で統一します。)
- ”主体性がなく、他者の意見に無批判で従うこと”
ちなみに「付和」とは、”主体性がなく無批判で他者の意見に従うこと”、一方の「雷同」は、雷が鳴ると物が共鳴して音を出す様子から”他者の意見にすぐに同調してしまうこと”、と似た意味を持つ言葉を組み合わせた四字熟語になります。
- 「付和」=”主体性がなく無批判で他者の意見に従うこと”
- 「雷同」=”他者の意見にすぐに同調してしまうこと”
意味からもわかるように、「付和雷同」は常にネガティブな意味を伴って用いられる表現です。
「付和雷同」は好ましくないこと!?
一般的に主体性なく簡単に他人の意見に従ってしまう「付和雷同」的な態度は、好ましくないことだとされています。
しかし、特にビジネスパーソンにとって、上司や取引先、その他の関係者などと無用な軋轢を起こさないためにも、やむをえず「付和雷同」的な態度をとらなければならないシチュエーションが多々あることは、みなさんもご存じの通りです。
ですから、シチュエーションによっては一概に「付和雷同」的な態度をとることが悪いことだとは言い切れないのですが、「人の生き方としては『付和雷同』的な態度をとらないようにしたいものですね」ぐらいに考えておくとよいかもしれません。
ちなみに「付和雷同」をポジティブな言葉で言い換えると「協調性」などの言葉が挙げられます。
- 「協調性」
「付和雷同」の基本的な使い方
続いて、基本的な使い方(基本パターン)を見てみましょう。
基本的には「付和雷同する」や「付和雷同的な(態度 / 追従)」などといった表現で用いられます。
- 「付和雷同する」
- 「付和雷同的な(態度 / 追従)」
「付和雷同」を用いた具体的な文例
具体的な文例で確認しましょう。
- 他人に「付和雷同」せず、主体性を持って生きることが大切だ。
- 定見無く他人の説を鵜呑みにして「付和雷同」することはよくない。
- なぜ勉強をするのか。それは他人の言説に惑わされ「付和雷同」するようなことにならないためだ。
- 扇動者は、一般大衆がプロパガンダに踊らされやすい点、「付和雷同」的な態度をとりやすい点、保身に走りやすい点といったところを巧みに利用する。
- 2009年に誕生した民主党政権は、マスコミの扇情主義的な報道に「付和雷同」的に国民が追従した結果誕生したという意見もある。
- 反乱軍が南下するうちに「付和雷同」した群衆が暴徒化していった。
- 「上司にペコペコ『付和雷同』してんじゃねぇよ」とお前は言うけれど、俺は出世のためなら自分を捨てる覚悟がある。
このように用いられます。
常にネガティブな意味を伴って用いられているのがおわかりいただけたでしょうか。
「付和雷同」の同義語・類義語
同義語・類義語にはどのような言葉があるでしょうか?
「付和雷同」に似た言葉には、以下のような言葉があります。
- 「迎合主義」
- 「長いものには巻かれろ」
- 「安易に(簡単に)人の意見に従う」
- 「人の意見に左右されやすい」
- 「自分の意見がない」
- 「主体性がない」
- 「阿諛追従(読み方:”あゆついしょう”)」
- 「唯唯諾諾(読み方:”いいだくだく”)」
「付和雷同」の反意語
反意語、逆の意味を持つ言葉についても考えてみましょう。
「付和雷同」と逆の意味を持つ言葉には、「主体性を持つこと」や「自分の意見を持つこと」、「孤高」などといった言葉があります。
- 「主体性を持つこと」
- 「自分の意見を持つこと」
- 「孤高」
いずれにせよ、「付和雷同」という言葉は様々なシチュエーションで用いられる言葉なので、社会人の教養として意味を知っておきたいところです。
以上、「付和雷同」の意味と使い方についての説明でした。みなさんの参考になれば幸いです。
※本記事は2017年2月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。
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