ツッコみを入れずに聞き流すのが大人のマナー
「上司からは『お前が悪い』『お前のせいだ』〈云々〉といつも叱られている」「金額〈云々〉という話ではなく、気持ちの問題だ」......。
このように用いられる「云々」という言葉。
いったいどのような意味や使い方があるのでしょうか?
「云々」の読み方と意味とは?
まずは言葉の読み方と意味の確認からしましょう。
「云々」は少し読みづらいですが、”うんぬん”と読みます。
主に以下のような意味で用いられます。
① ”(引用などで)後に続く語句や内容の省略”として用いる
→言い換え例:等々、など
② ”(聞き手に)引用や伝聞であることを示す”ために用いる
→言い換え例:らしい
③ ”議論すること”という意味で用いる
→言い換え例:どうこう、どうのこうの、とやかく言う
現在では、特に口語や、ややくだけた文章で多く見聞きする言葉です。
「云々」を用いた具体的な文例
具体的な文例で確認してみましょう。
- 上司からは「お前が悪い」「お前のせいだ」〈云々〉といつも叱られている。
(→①) - 彼らの中からも、一部からは「けしからん」「懲罰にかけろ」〈云々〉という話が出てきているそうだ。
(→①もしくは②) - 当事者によれば「認識はなかった」「誤解だ」〈云々〉という話だ。
(→①もしくは②) - バンドの解散原因は音楽性の違い〈云々〉といったものではない。
(→①もしくは③) - 金額〈云々〉という話ではなく、気持ちの問題だ。
(→③) - 今さら〈云々〉するような話でもない。
(→③)
このように用いられます。
2017年1月に一部で話題となった安倍総理の読み間違え
2017年1月、安倍総理が参院本会議で、この「云々」という言葉を読み間違えたのではないかと一部で話題となりました。
読み間違えたとされる文は以下の内容です。
~訂正「云々」というご指摘は全く当たりません
〈2017年1月24日参院本会議より〉
この「云々」の箇所を、安倍総理は”うんぬん”ではなく、”でんでん”と読んだのだとか。
おそらく「伝々」と見間違えてしまったのでしょう。
言葉の読み間違えにはツッコまないのが大人のマナー
もちろん読み間違えをすることは、あまりよいことではありません。
しかし安倍総理も多忙を極める身。些細な読み間違えを取りあげて、挙げ足をとるのもどうかと思われます。
みなさんも、忙しく睡眠がとれなかった次の日に、会議で急に文章を読み上げなければならず、思わず読み間違えをした経験が一度や二度あるのではないでしょうか。
近年、メディアが政治家の漢字の読み間違えを面白おかしくからかう風潮がありますが、本質とかけ離れた報道だと非難されることも少なくありません。
同様に、ビジネスパーソンとしては、会議やスピーチで上司や同僚、あるいは取引先が言葉の読み間違えをしたとしても、ツッコみを入れずに聞き流すのが大人のマナーです。
と、少し話が脱線してしまいましたが、「云々」という言葉は、社会人の常識として意味や使い方を知っておきたい言葉のひとつとなります。
以上、「云々」の意味と使い方についての説明でした。参考になれば幸いです。
※本記事は2017年1月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。
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