「新商品に興味を示したテレビ局の取材は、A社にとってまさに『千載一遇』のチャンスであった」「急速な市場環境の変化は、私たち新興企業にとっては『千載一遇』の好機であるという認識を持たなければならない」......。
このように用いられる「千載一遇」という四字熟語。
いったいどのような意味や使い方があるのでしょうか?
「千載一遇」の読み方と意味とは?
まずは言葉の読み方と意味の確認から。
「千載一遇」の読み方は、”せんざいいちぐう”。
「載」の字は、”年”という字義(「千載」は千年のこと)を持ち、「遇」の字には、”出会う”や”巡り会う”といった字義があります。
つまり「千載一遇」とは、”【千】年(=【載】)に【一】度巡りあう(=【遇】)かあわないか(の好機)”という意味を持つ言葉です。
”めったにない(好機)”と言ってもよいでしょう。
- ”千年に一度巡りあうかあわないか(の好機)”
- ”めったにない(好機)”
基本的には「千載一遇の好機(チャンス / 機会)」といった表現で用いられます。
- 「千載一遇の好機(チャンス / 機会)」
「千載一遇」の語源
この四字熟語は、南北朝時代の中国において当時までの様々な名文を集めた『文選』に収録されている文章(袁宏『三国名臣序賛』)に由来する言葉です。
ちなみに、元々の文章では、多くの知恵を持つ賢者と出会うことが「千載一遇」なことであるとされています。
「千載一遇」を用いた具体的な文例
具体的な文例も見てみましょう。
- 1点差を追う日本チーム。8回裏には無死満塁としたものの、後に続く三人がいずれも三振と「千載一遇」のチャンスを逃してしまった。
- 彼にとって朝の連続ドラマへの出演は、全国の視聴者に顔を売る「千載一遇」のチャンスだった。
- 新商品に興味を示したテレビ局の取材は、A社にとってまさに「千載一遇」のチャンスであった。
- 急速な市場環境の変化は、私たち新興企業にとっては「千載一遇」の好機であるという認識を持たなければならない。
- B国の大統領は、C国の指導者との首脳会談を、両国関係修復のための「千載一遇」の機会と位置づけていた。
このように用いられます。
「千載一遇」の同義語・類義語
同義語・類義語にはどのような言葉があるでしょうか?
「千載一遇」に似た言葉には「またとない(好機 / チャンス / 機会)」や、”目の見えない亀が大海で漂う木に出会うこと”という意味を持つ「盲亀浮木(読み方:もうきふぼく)」などといった言葉があります。
- 「またとない(好機 / チャンス / 機会)」
- 「盲亀浮木(読み方:もうきふぼく)」
いずれにせよ、「千載一遇」という四字熟語は、社会人の常識として意味を知っておきたい言葉のひとつ。
ビジネスパーソンとしては、ぜひとも「千載一遇のチャンス」に出会いたいものですね。
以上、「千載一遇」の意味と使い方についての説明でした。みなさんの参考になれば幸いです。
※本記事は2017年1月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。
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