ストレートに「大した用事がなければ」と言ってしまうと角が立つ

「外務省は、A国の政情が不安定となっていることを受けて危険情報を発表し、A国への『不要不急』の渡航を控えるように呼び掛けた」「大雪が続くB市の市長は、交通の混乱が続く状況を重くみて、自家用車での『不要不急』の外出を控えるよう市民に対して異例の要請を行った」......。

お役所関係、特に注意喚起の文で好んで用いられる「不要不急」という言葉。

いったいどのような意味や使い方があるのでしょうか?

注意喚起でよく見る「不要不急」の意味と使い方とは?
不要不急ってどんな意味?

「不要不急」の読み方と意味とは?

まずは言葉の読み方と意味の確認からしましょう。

「不要不急」の読み方は、”ふようふきゅう”。

「要」と「急」という漢字に、それぞれ否定の意味を表す「不」がついていますね。

「要」は「重【要】」、「急」は「【急】ぎ」と考えると理解しやすいでしょう。

つまり、「不要不急」とは、”重【要】ではない、【急】ぎではないこと(場合)”という意味を持つ言葉です。

「不要不急」(読み方:”ふようふきゅう”)の意味
  • ”重要ではない、急ぎではないこと(場合)”

基本的には、「不要不急の○○(外出 / 渡航など)」のように用いられます。

「不要不急」の基本パターン
  • 「不要不急の○○(外出 / 渡航など)」



お役所関係で好んで用いられる「不要不急」

「不要不急」という言葉は、お役所関係で好んで用いられる表現のひとつです。

例えば、冒頭で示した大雪に対する注意喚起。

本来ならば「大した用事がなければ危ないから車での外出は控えてね」と言いたいところですが、ストレートに「大した用事がなければ」と言ってしまうと、なにかと角が立つもの。

このようなケースでは、「自家用車での『不要不急』の外出は控えてほしい」と表すことで、角が立たない表現となるわけです。

「不要不急」の使用例
  • 大した用事がなければ危ないから車での外出は控えてね
  •   ↓
  • 自家用車での『不要不急』の外出は控えてほしい

もちろん、お役所関係の注意喚起のみならず、ビジネスパーソンなら社内での連絡などにおいて、この「不要不急」という言葉を活用することができます。

「不要不急」を用いた具体的な文例

実際に具体的な文例を見てみましょう。

「不要不急」を用いた具体的な文例
  • 外務省は、A国の政情が不安定となっていることを受けて危険情報を発表し、A国への「不要不急」の渡航を控えるように呼び掛けた。

  • 政情が不安定となったA国では、一般市民に対して夜間の「不要不急」の外出を規制する夜間外出禁止令が出された。

  • 110番や119番の受理件数のうち、緊急性が低い「不要不急」の通報が相当な割合を占めているという。

  • 気象庁は記者会見を開き、日本海側を中心に広い範囲で大雪となる恐れがあるとして、「不要不急」の外出を控えるよう警戒を呼び掛けた。

  • 大雪が続くB市の市長は、交通の混乱が続く状況を重くみて、自家用車での「不要不急」の外出を控えるよう市民に対して異例の要請を行った。

  • 戦争中の国内では、スイカなど果物の一部は「不要不急」の高級品として作付け制限されたという。

このように用いられます。

「不要不急」の同義語・類義語

同義語・類義語にはどのような言葉があるでしょうか?

「不要不急」に似た言葉には「重要ではないこと(場合)」や「急ぎではないこと(場合)」、「緊急ではないこと(場合)」などといった言葉があります。

「不要不急」の同義語・類義語
  • 「重要ではないこと(場合)」
  • 「急ぎではないこと(場合)」
  • 「緊急ではないこと(場合)」

いずれにせよ「不要不急」という言葉は、社会人の常識として意味を知っておきたいところです。

以上、「不要不急」の意味と使い方についての説明でした。みなさんの参考になれば幸いです。

※本記事は2017年1月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。


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