「草分け」という言葉もある
「A氏は、B社『草創期』から営業部門の責任者として、同社の収益化に尽力してきた」「インターネット「草創期」には、ヤフーやグーグルなど多くのIT企業が急成長した」......。
このようにビジネス系の記事でもよく用いられる「草創期」という言葉。
いったいどのような意味や使い方がある言葉なのでしょうか?
読み方と意味
まずは言葉の読み方と意味の確認からしましょう。
「草創期」は”そうそうき”と読みます。
「草創」には、”新しく物事をはじめることや事業を興(おこ)すこと”という意味があります。
つまり「草創期」とは、”(特に企業や団体などが)新しく活動をはじめた時期”といった意味を持つ言葉なのです。
身近な言葉だと、”初期”とほぼ同じ意味だと考えればよいでしょう。
- ”(特に企業や団体などが)新しく活動をはじめた時期”
- ”初期”
例えば「会社の『草創期』」と言えば、”会社が創業して間もなくの時期”を指しますし、「プロ野球の『草創期』」と言えば、”プロ野球がはじまって間もなくの頃”という意味になるわけです。
- 会社の「草創期」 = ”会社が創業して間もなくの時期”
- プロ野球の「草創期」= ”プロ野球がはじまって間もなくの頃”
「草」を用いた言葉には「草分け」というものもある
余談ですが、「草」を用いた言葉には「草分け」というものがあります。
元々は、文字通り”荒れた土地の草木をかきわけ、土地を開拓すること”という意味を持ち、転じて”(ある特定の分野で)基礎を築くこと”を意味するようになった言葉です。
この”荒れた土地の草木をかきわけ、土地を開拓するという意味を持つ”「草分け」という言葉を知っていれば、「草創期」という言葉のイメージがしやすいかもしれません。
例えば先ほど挙げた「会社の『草創期』」。会社を立ち上げたばかりの頃は、軌道に乗った会社とは違い、商品の開発や営業手法の確立、社員の育成、日々の雑務などが手探りの状態であるとよく言われます。その様は「草分け」と同様に土地を開拓する様子に似ているのではないでしょうか。
- ”荒れた土地の草木をかきわけ、土地を開拓すること”
- ”(ある特定の分野で)基礎を築くこと”
具体的な文例
具体的な文例で確認しましょう。
- A氏は、B社「草創期」から営業部門の責任者として、同社の収益化に尽力してきた。
- C氏は社長の右腕として、会社の「草創期」を支えた人物だ。
- インターネット「草創期」には、ヤフーやグーグルなど多くのIT企業が急成長した。
- プロ野球の「草創期」から、巨人と阪神は人気球団であった。
- 彼のお父さんは、Jリーグ「草創期」に活躍した元プロサッカー選手だ。
このように用いられます。
言葉のイメージがつかめたでしょうか。
同義語・類義語
「草創期」の同義語・類義語にはどのような言葉があるでしょうか?
似た言葉には、「初期」や「黎明期」、それから「創成期(創生期)」、「間もなくの頃」、企業に対して用いる場合には「創業期」や「設立当初」などといった言葉があります。
- 「初期」
- 「黎明期」
- 「創成期(創生期)」
- 「間もなくの頃」
- 「創業期」
- 「設立当初」
いずれにせよ「草創期」という言葉は様々なシチュエーションで用いられる言葉なので、社会人の常識として意味を知っておきたいところです。
以上、「草創期」の意味と使い方についての説明でした。ビジネスパーソンのみなさんの参考になれば幸いです。
※本記事は2017年1月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。