1字異なるだけで大違い!
「A社は12月26日、『債務』整理を○山○三弁護士に一任した」「老舗電機メーカーB社は、新たに最大数百億円規模の損失を計上する可能性があり、『債務』超過転落や上場廃止危機に直面している」......。
このようにビジネス系の記事でもよく用いられる「債務」と「債権」という言葉。
「どっちがどっちだっけ?」と考えてしまうビジネスパーソンも少なくないはず。
そこで、ここではビジネスパーソンが最低限知っておきたい、それぞれの言葉の一般的な意味を再確認してみたいと思います。
「債」の字の意味とは?
ちなみに、どちらの言葉にも用いられている「債」の字は、”支払うべきお金”や、”借金”などといった字義を持ちます。
- ”支払うべきお金”
- ”借金”
例えば、「負債」は”借金(=【債】)を背【負】うこと”という意味を持つ言葉です。
「債務」の一般的な意味とは?
そして「債務」とは、”期日までにお金、あるいは借金(=【債】)を払う義【務】”のことになります。
- ”期日までにお金、あるいは借金(=【債】)を払う義【務】”
「債務」と「債権」の意味がわかりづらいという人は、「債務」は”義【務】”である点を思い出すとよいでしょう。
「債務」を用いた言葉の例
「債務」を用いた言葉には、次のようなものがあります。
- 債務者
⇒お金や借金を支払う側(=借り手) - 債務額
⇒支払うべきお金や借金の額 - 連帯債務
⇒複数の債務者が、同一の内容の債務について独立して全責任を負うこと - 多重債務(者)
⇒複数から借り入れをしていること(人物) - 債務整理
⇒法的整理や私的整理により、債務額の圧縮、支払方法の変更などをすること - 債務不履行
⇒支払うべきお金や借金を支払わないこと - 債務保証
⇒第三者が債務者(の債務履行)を保証すること - 債務超過
⇒企業などで債務が資産を上回った状態
これらの言葉はビジネス系の記事のみならず、金銭貸借など各種契約書類でもよく見ますね。
「債権」の一般的な意味とは?
一方の「債権」には、どのような意味があるのでしょうか。
「債権」には、”期日までにお金、あるいは借金(=【債】)を払ってもらう【権】利”という意味があります。
- ”期日までにお金、あるいは借金(=【債】)を払ってもらう【権】利”
繰り返しますが、「債権」は”【権】利”と理解することがポイントです。
「債権」を用いた言葉の例
「債権」を用いた言葉の例も見てみましょう。
- 債権者
⇒お金や借金を支払ってもらう側(=貸し手) - 債権額
⇒支払ってもらうべきお金や借金の額 - 債権管理
⇒支払ってもらうべきお金や借金を管理すること - 債権回収
⇒支払ってもらうべきお金や借金を回収すること - 債権譲渡
⇒お金や借金を支払ってもらう権利を第三者に譲ること - 債権放棄
⇒お金や借金を支払ってもらう権利を放棄すること
以上のような言葉があります。
「債務」と「債権」の同義語・類義語
「債務」に似た言葉には「借金」や「負債」、「期日までに支払うべき金額」などといった言葉があります。
- 「借金」
- 「負債」
- 「期日までに支払うべき金額」
一方、「債権」に似た言葉には「融資」や「期日までに支払ってもらうべき金額」などといった言葉があります。
- 「融資」
- 「期日までに支払ってもらうべき金額」
いずれにせよ、「債務」と「債権」という言葉はビジネスシーンでもよく用いられる言葉なので、社会人の常識として、一般的な意味を知っておきたいところ。
1字異なるだけで大違いなのが「債務」と「債権」という言葉です。
以上、「債務」と「債権」の一般的な意味についての説明でした。参考になれば幸いです。
※本記事は2016年12月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。
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