どちらも会社には必要不可欠
「A社の役員は『直接部門』の出身者で占められている」「C社は、会社分割により事業部門および一部の『間接部門』を事業子会社へ移管する再編を行った」......。
このようにビジネスシーンでよく用いられる「直接部門」と「間接部門」という言葉。
それぞれ、どのような意味を持つ言葉なのでしょうか?
「直接部門」の意味とは?
まずは先に「直接部門」の意味から。
「直接部門」とは「直接」の言葉が示す通り、”会社の利益(業績)に直接の影響を与える部門(部署)”のことです。
簡単に言えば、”会社の売上を稼ぐ部門(部署)”のこと。
例えば、商品を顧客に販売することで会社に利益をもたらす営業部門や販売部門、魅力的な商品を生み出す開発部門や製造部門などが、一般的には「直接部門」であるとされます。
- ”会社の利益(業績)に直接の影響を与える部門(部署)”
- ”会社の売上を稼ぐ部門(部署)”
→(例)営業部門、販売部門、開発部門、製造部門
会社の花形部署であることが多い「直接部門」
「直接部門」は会社の売上を稼ぐ花形部署であることが多いため、就職活動を行う多くの学生が「直接部門」への配属を希望します。
また、「直接部門」に成果主義が導入されている企業も数多く、多くの企業では「直接部門」の給与水準は高めであるようです。
ただし、その一方で常に結果を出すことが求められたり、出世競争が激しいといった特徴もあります。
「間接部門」の意味とは?
そして、もう一方の「間接部門」。
もうおわかりでしょうが、「間接部門」とは”会社の利益(業績)に間接的に影響を与える部門(部署)”のことです。
例えば、社員が働きやすい環境を整えたり社内の効率化を目指す総務部門や、新卒・中途採用や人材開発などを行う人事部門が、一般的には「間接部門」となります。
総務部門や人事部門の他にも、経理・財務部門、法務部門、システム部門などが「間接部門」に分類されます。
- ”会社の利益(業績)に間接的に影響を与える部門(部署)”
→(例)総務部門、人事部門、経理・財務部門、法務部門、システム部門
ちなみに「間接部門」と同様の意味で用いられている言葉には、「管理部門」や「非収益部門」、「バックオフィス」、「事務職」などがあります。
- 「管理部門」
- 「非収益部門」
- 「バックオフィス」
- 「事務職」
会社という組織を支える「間接部門」
「間接部門」は、「直接部門」が会社の利益(業績)を最大化させることができるよう日々努力しています。
とかく地味な存在として扱われがちな「間接部門」ですが、「直接部門」と同様に会社という組織を支えるとても重要な存在。
いずれにせよ、会社にとって「直接部門」と「間接部門」は車の両輪のような存在であり、どちらも必要不可欠な存在であると言えるのです。
「直接部門」に属する若手ビジネスパーソンのごく一部には、「間接部門」を見下すような言動をとる人がいますが、ビジネスパーソンとしては失格です。
「直接部門」と「間接部門」を用いた具体的な文例
これら二つの言葉を用いた具体的な文例も見てみましょう。
- A社の役員は「直接部門」の出身者で占められている。
- B社では、成果主義の導入に際して「直接部門」と「間接部門」の間で意見が分かれたという。
- C社は、会社分割により事業部門および一部の「間接部門」を事業子会社へ移管する再編を行った。
- 販売費及び一般管理費における一般管理費には、「間接部門」の人件費や「間接部門」が入居する事務所を運営するための費用が含まれる。
このように用いられます。イメージが湧くでしょうか。
まとめ
ここまでの内容をまとめます。
- 「直接部門」とは、”会社の利益(業績)に直接の影響を与える部門(部署)”のこと
- 「直接部門」には、営業部門、販売部門、開発部門、製造部門などが分類される
- 「間接部門」とは、”会社の利益(業績)に間接的に影響を与える部門(部署)”のこと
- 「間接部門」には、総務部門、人事部門、経理・財務部門、法務部門、システム部門などが分類される
- 、会社にとって「直接部門」と「間接部門」は車の両輪のような存在であり、どちらも必要不可欠な存在である
「直接部門」と「間接部門」という言葉はビジネスシーンでもよく用いられる言葉なので、特に若手のビジネスパーソンは社会人の常識として意味を知っておきたいところです。
以上、「直接部門」と「間接部門」の意味と使い方についての説明でした。みなさんの参考になれば幸いです。
※本記事は2016年12月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。