「販管費(販売管理費)」とは何ぞや

「今期のB社は売上高が増加したものの、営業利益が大きく減少している。これはTVCMなどの広告宣伝により『販管費』が大幅に増えたためである」......。

このようにビジネス系の記事やビジネスシーンで見聞きする機会が多い「販管費(あるいは販売管理費)」という言葉。

ここでは「販管費(販売管理費)」には、いったいどのような意味があるのか、そしてビジネスパーソンとして最低限覚えておきたいポイントを説明します。

「販管費(販売管理費)」の意味と覚えておきたいポイントとは?
僕ら総務部の人件費も販管費ですから~♡

「販管費」は「販売費及び一般管理費」の略

「販管費」の読み方は"はんかんひ"。

「販管費」は、正式には「販売費及び一般管理費」と呼ばれます。

そう、「販管費」とは「【販】売費及び一般【管】理【費】」を省略した言葉なのです。

ポイント① 「販管費」(読み方:"はんかんひ")の意味
  • "「販売費及び一般管理費」の略"

また「販管費」は、「販売管理費」とも呼ばれます。

つまり、「販管費」=「販売管理費」=「販売費及び一般管理費」と、いずれの言葉も同じことを指しているのです。

ポイント② 「販管費」の同義語
  • 「販売管理費」
  • 「販売費及び一般管理費」

ところで、「販管費」の正式な呼び方である「販売費及び一般管理費」とは、いったいどのようなものなのでしょうか?



「販売費及び一般管理費」とは?

「販売費及び一般管理費」とは、主に企業会計に関連して用いられる用語です。

文字通り、「販売費」「一般管理費」の二つから構成されています。

ポイント③ 「販売費及び一般管理費」の二つの構成要素
  • 販売費
  • 一般管理費

この二つの内容を理解すればよいのですが、その前に、企業が利益をあげる基本的な仕組みを再確認しておくと、理解がはかどります。

企業が利益をあげる基本的な仕組みを再確認してみると……

「販売費及び一般管理費」について考える前に、企業がどのように儲け、すなわち「利益」をあげるのかを思い出してみましょう。

例えばスーパーなどの小売業。

小売業では卸業者から商品を仕入れ、そこに「利益」分を上乗せして客に商品を販売します。

小売業では、消費者に商品を販売して得るお金が「売上高」、商品を仕入れるためにかかった費用が「売上原価」、その差額がいわゆる儲けである「売上総利益(粗利益)」となるわけです。

ポイント④ 「販売費及び一般管理費」について考える前に知っておきたい言葉
  • 「売上高」
     =企業が本業の商品やサービスを販売したことにより得るお金
  • 「売上原価」
     =商品の仕入高、材料費や製造ラインの人員の賃金、販売に必要な人件費など(業種により異なる)
  • 「売上総利益(粗利益)」
     =売上高-売上原価

これが、企業が利益を生む基本的な仕組みです。

「広告宣伝費」や「間接部門の人件費」⇒「販売費及び一般管理費」

しかし、これはあくまで単純化した話。

実際には商品の仕入れにかかる費用である「売上原価」以外にも、商品の「売上高」を伸ばすための広告宣伝費用などが必要になってきます。

また、企業が活動を行っていく中で、経理部や総務部、人事部といった会社組織を支える部門(いわゆる間接部門)の人件費も必要となるでしょう。

そして、これらの「売上原価」に算入できない「広告宣伝費(販売促進費)」「間接部門の人件費」などが、「販売費及び一般管理費」に分類されるのです。

「販売費」の意味とは?

「販売費」と「一般管理費」、それぞれを具体的に考えてみましょう。

まずは「販売費」から。

「販売費」とは、”販売活動に必要な各種費用”のこと

代表的なものには「広告宣伝費(販売促進費)」があります。

ポイント⑤ 「販売費」(読み方:"はんばいひ")の意味
  • ”販売活動に必要な各種費用”
     ⇒代表的なものには「広告宣伝費(販売促進費)」

企業の業績に関する記事で、単に「『販売費』が増えた、減った」と表現している場合には、(年ごとにバラつきのある)「広告宣伝費(販売促進費)」の増減を指していることが多いようです。

「一般管理費」の意味とは?

一方の「一般管理費」とは、”会社組織を支えるために必要な費用”のこと。

代表的な「一般管理費」には、経理部や総務部、人事部といった「間接部門の人件費」や「間接部門が入居する事務所の運営費用」、それから「各種経費」(「通信費」「旅費交通費」「交際費」など)、従業員の「福利厚生費」なども挙げられます。

ポイント⑥ 「一般管理費」(読み方:"いっぱんかんりひ")の意味
  • ”会社組織を支えるために必要な費用”
     ⇒代表的なものには「間接部門の人件費」や「間接部門が入居する事務所の運営費用」

間接部門にかかる費用と考えておけばよいでしょう

特に企業が事業の拡大フェーズにある場合には、間接部門の社員数の増加と共に「一般管理費」は増えていきます。


と、このように、「売上原価」に算入できない「広告宣伝費(販売促進費)」や「間接部門の人件費」などが、「販売費及び一般管理費」となるわけです。

ついでに覚えたい「営業利益」という言葉

「販売費及び一般管理費」の意味を知ったうえで、ついでに覚えたいのが「営業利益」という言葉。

「営業利益」とは、”企業が(本業で)どのくらい儲けることができたかを表す項目”であり、先ほど紹介した「売上総利益(粗利益)」から「販売費及び一般管理費」を引いた数値となります。

ポイント⑦ 「営業利益」(読み方:"えいぎょうりえき")の意味
  • ”企業が(本業で)どのくらい儲けることができたかを表す項目”
     =「売上総利益(粗利益)」-「販売費及び一般管理費」



「販管費」を用いた具体的な文例

ここまでを理解したうえで、「販管費」を用いた具体的な文例を見てみましょう。

「販管費」を用いた具体的な文例
  • 今期のA社は、広告宣伝費を圧縮することで「販管費」を抑えたことも影響してか、減益幅は予想より小さくなった。

  • 今期のB社は売上高が増加したものの、営業利益が大きく減少している。これはTVCMなどの広告宣伝により「販管費」が大幅に増えたためである。

  • C社は「販管費」の削減を進めたことで採算が大きく改善した。

  • D社は、本部集約による店舗作業の標準化や単純化による「販管費」の抑制により、収益率を向上させた。

  • E社は売上が計画を下回ったものの、利益率の高いコンサルティング事業の売上増加などで採算が改善。「販管費」が想定を下回ったことも利益上振れに貢献した。

  • 客寄せのために大型量販店が酒を採算度外視で安売りすることを受けて、国税庁と財務省は、原価と「販管費」の合計額を下回って安売りを行う酒類販売業者に対し、酒類販売の免許取り消しなどの処分が行えるよう規制をする方針だ。

このように用いられます。

「販管費」のイメージがつかめたでしょうか。

いずれにせよ、「販管費(あるいは販売管理費)」という言葉はビジネスシーンでも頻繁に用いられる言葉でもあるため、ビジネスパーソンとしては意味や最低限のポイントを知っておきたいところです。

以上、「販管費(販売管理費)」の意味と覚えておきたいポイントについての説明でした。みなさんの参考になれば幸いです。

「販管費」について深く知る参考リンク

※本記事は2017年1月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。


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