どうすりゃいいのかわからないよ!
「この面を上に 『天地無用』」「注意!『天地無用』」......。
宅急便など、特にダンボールで梱包された荷物に貼ってあるシールに書いてある「天地無用」という言葉。
なんとなく意味はわかるんだけど、正確な意味は知らないという若手ビジネスパーソンも少なくないようです。
そこで、ここでは「天地無用」という言葉には、いったいどのような意味や使い方があるのかを再確認してみたいと思います。
宅急便の荷物に書かれている「天地無用」
「天地無用」の読み方は”てんちむよう”。
宅急便など、特にダンボールで梱包された荷物に貼ってあるシールに書いてあることが多い言葉ですね。
まず先に「天地」と「無用」、それぞれの言葉の意味について考えてみましょう。
「天地」と「無用」、それぞれの意味とは?
まず「天地」の意味から。
「天地」には、文字通り”空と地面”という意味がありますが、その意味から転じて”(物の)上下”のことも指します。
例えば、「天地が逆」と言えば”(物の)上下が逆さま”のことで、「天地寸法」と言えば”(物の)上下の長さ”のこと。
- ”空と地面”
- ”(物の)上下”
一方「無用」という言葉には、”~してはならない”という禁止の意味があり、「天地無用」の「無用」は、この意味で用いられています。
余談ですが、「落書き無用」(=”落書きしてはならない”の意)の表現で使われている「無用」や、「他言無用」”(=”特に秘密や内緒話などを他人に言う必要がない”の意)の表現で使われている「無用」も、”~してはならない”という意味です。
- ”~してはならない”
「天地無用」の意味とは?
というわけで、”(物の)上下”を意味する「天地」と、”~してはならない”という意味を持つ「無用」を組み合わせた「天地無用」とは、”上を下にしてはならない”、すなわち”(物の)上下を逆さまにしてはならない”という意味となるのです。
また、「天地無用」と書かれた荷物の多くは、割れ物のように取り扱いに注意が必要な品物が梱包されていることが多いため、”(運搬時などに)丁寧に扱わなければならない”、あるいは”水平な場所に置かなければならない”などといった意味も暗に含んでいます。
- ”(物の)上下を逆さまにしてはならない”
- ”(運搬時などに)丁寧に扱わなければならない”
- ”水平な場所に置かなければならない”
いずれにせよ、荷物に「天地無用」と書かれているシールが貼られていた場合、その荷物の取り扱いは注意が必要になるわけです。
「天地無用」を用いた具体的な文例(使用例)
具体的な文例(使用例)で確認しましょう。
- この面を上に「天地無用」
- 注意!「天地無用」
- 「天地無用」割れ物注意
このように用いられます。もう大丈夫ですね。
また、いずれの場合においても口語で用いられることはあまりなく、宅急便など、特にダンボールで梱包された荷物に貼ってあるシールに書いてあることがほとんどです。
「天地無用」の同義語・類義語
「天地無用」に似た言葉には「上下を逆さまにしてはならない」や「(割れ物なので)取り扱い注意」などといった言葉があります。
- 「上下を逆さまにしてはならない」
- 「(割れ物なので)取り扱い注意」
これらの言葉の意味を短く端的に表したのが、「天地無用」という言葉であるとも言えるでしょう。
まとめ
ここまでの内容をまとめます。
- 「天地」とは、”(物の)上下”という意味
- 「無用」とは、”~してはならない”という禁止の意味
- 「天地無用」とは、”(物の)上下を逆さまにしてはならない”ということ
- ”(運搬時などに)丁寧に扱わなければならない”といった意味も含んでいる
「天地無用」という言葉は、ビジネスパーソンとして意味を知っておきたい言葉のひとつです。
くれぐれも「天地無用」と書かれた宅急便の荷物を上下逆さまに置いて、上司に怒られないようにしてくださいね。
以上、「天地無用」の意味と使い方についての説明でした。ビジネスパーソンのみなさんの参考になれば幸いです。
※本記事は2016年11月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。