「この番組は関西『ローカル』なんだよね」「企業の海外進出にあたっては、労務管理面での『ローカル』化も課題となる」......。

このように様々なシチュエーションで見聞きすることが多い「ローカル」という言葉。

「ローカル」と聞くと、つい”田舎の”という意味をイメージしてしまう人も少なくないでしょうが、実は「ローカル」は(都会に対する)”田舎の”を意味する言葉ではありません。

ここではビジネスパーソンとして最低限知っておきたい、カタカナ語「ローカル」が持つ本当の意味を考えてみましょう。

”田舎の”という意味はない!?「ローカル」の本当の意味とは?
カタカナ語「ローカル」のポイントとは!

大学受験でも問われることが多い「ローカル」の意味

私たちがよく見聞きする「ローカル」とは、英語の local を語源とする言葉。

本来、英単語 local とは、”(特定の)地方の”や”地元の”、”局所的な”といった【全体に対する一部分】を意味する単語であり、私たちがイメージしがちな”(都会に対する)田舎の”といった意味は持ちません。

英単語 local の意味
  • ”(特定の)地方の”
  • ”地元の”
  • ”局所的な”
  • ⇒【全体に対する一部分】を意味する
    ⇒”田舎の”という意味は厳密には誤用

この英単語 local が持つ意味については、大学受験の英語入試問題でもよく問われます。



カタカナ語「ローカル」のポイントは【全体に対する一部分】

というわけでカタカナ語「ローカル」も、厳密には”(都会に対する)田舎の”といった意味はないということを知っておきたいところ。

多くのケースにおいてカタカナ語「ローカル」は、英単語 local と同様の意味で用いられているのです。

ビジネスパーソンとしては、「ローカル」と聞いたら「あぁ、【全体に対する一部分】なんだな」とイメージできればよいかもしれません。

カタカナ語「ローカル」のポイント
  • ポイントは【全体に対する一部分】
  • だから”(特定の)地方の”、”地元の”、”局所的な”という意味になる
  • ⇒”田舎の”という意味はない

繰り返しますが、カタカナ語「ローカル」のポイントは【全体に対する一部分】になります。

「関西『ローカル』」もあれば「東京『ローカル』」もある

例えばテレビ番組。テレビ番組の中で芸能人が「この番組は関西『ローカル』なんだよね」や、「この番組は東京『ローカル』だよ」などと会話しているのを聞いたことがある人も多いでしょう。

このような場合、もちろん「ローカル」という言葉は”(都会に対する)田舎の”といった意味ではなく、やはり【全体に対する一部分】のイメージを伴って用いられています。

つまり、それぞれ”全国で放送される番組”ではなく、”関西地方でのみ放送される番組”、”東京(関東地方)でのみ放送される番組”という意味になるのです。

また「ローカルニュース」といえば”地元のニュース”のことを指し、決して”田舎のニュース”を意味しているわけではありません。

ビジネスシーンでよく出てくる「ローカル化」の意味とは?

ビジネスシーンでも会話の中などで頻繁に「ローカル」を用いた言葉が登場します。

例えば「ローカル化」。ビジネスにおける「ローカル化」とは、”画一的なサービスの提供や組織体制を構築するのではなく、地域ごとの実情に合わせ柔軟にサービスの提供や組織体制を変えていくこと”といった意味になるでしょう。

日本(あるいは海外)で成功したサービスであっても、海外(あるいは日本)で展開する場合などにおいては、「ローカル化」の作業は多かれ少なかれ必要であると言われています。

また「ローカル化」は、「ローカライズ(あるいはローカライゼーション)」とも呼ばれます。

「ローカル化」の意味
  • ”画一的なサービスの提供や組織体制を構築するのではなく、地域ごとの実情に合わせ柔軟にサービスの提供や組織体制を変えていくこと”
  • ⇒「ローカライズ(あるいはローカライゼーション)」とも呼ばれる

もちろん、”(都会に対する)田舎の”といった意味はありません。

ビジネスシーンにおける「ローカル」の使い方(文例)

ビジネスシーンにおいて「ローカル」という言葉を用いた具体的な文例も見てみましょう。

ビジネスシーンにおける「ローカル」という言葉を用いた具体的な文例
  • 「ローカル化」という言葉は、「グローバル化」と対比的に用いられることがある。
  • 企業の海外進出にあたっては、労務管理面での「ローカル化」も課題となる。
  • 日本でヒットしたゲームを英語版に「ローカライズ」させる作業は決して簡単なことではない。
  • A社は自社製品を日本で展開するにあたり、製品名を変えたり販売価格を低くするなど日本市場への「ローカライズ」を第一に考えた。
  • 「ローカルルール」とは、地域ごとに定められた独自のルールのことだ。

このように用いられます。

”(集客の多い)中央に対する(集客の少ない)地方”という意味もある

ただし、これらの一方で”(集客の多い)中央に対する(集客の少ない)地方”という意味で「ローカル」という言葉が使われるケースも存在します。

例えば鉄道における「ローカル線」や中央競馬における「ローカル開催」などが、このケースに該当します。

このような意味で使用されることもあるため、どうしても「ローカル」という言葉には、”(都会に対する)田舎の”といったイメージがつきまとうのかもしれません。

「ローカル」の同義語・類義語

「ローカル」に似た言葉には、「(全体に対する一部分という意味で)地方の」「地元の」などといった言葉があります。

「ローカル」の同義語・類義語
  • 「(全体に対する一部分という意味で)地方の」
  • 「地元の」


いずれにせよ、「ローカル」という言葉を見聞きしたり使う際には、”(都会に対する)田舎の”というイメージではなく【全体に対する一部分】と考えればよいでしょう。


以上、「ローカル」の意味と使い方についての説明でした。参考になれば幸いです。

「ローカル」について深く知る参考リンク

※本記事は2016年11月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。


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