「『常在戦場』の気持ちで、日々活動をすることは極めて重要だ」「『常在戦場』の心構えで、一層の緊張感を持たなければならない」......。
このように政治家や経営者が好んで使う「常在戦場」という言葉。
いったいどのような意味があるのでしょうか?
「常在戦場」の読み方と意味とは?
まずは「常在戦場」という言葉の読み方と意味の確認からしましょう。
「常在戦場」の読み方は、"じょうざいせんじょう"。
漢文として訓読すれば、「常(つね)に戦場(せんじょう)に在(あ)り」になります。
"(平時でも)常に戦場にいるような緊張感を持ち、真剣に事にあたらなければならない"という意味を持ち、古くから武士の心得(教訓)として用いられてきた言葉です(出典は不明)。
- "(平時でも)常に戦場にいるような緊張感を持ち、真剣に事にあたらなければならない"
政治家・経営者が好んで使う「常在戦場」という言葉
「常在戦場」という言葉は、政治家、特にいつ解散があるかわからない衆議院議員が心構えとして好んで使う言葉です。
ただ、政治家が「常在戦場」という言葉を用いる際には、多くの場合において、政治活動に対して"緊張感を持ち、真剣に事にあたらなければならない"というよりも、いつ(衆議院の)解散があってもよいように選挙の準備をしておくという意味で使っていることが多いようです。
また、政治家だけでなく企業経営者の中にも「常在戦場」という言葉を好んで使う人がいます。
企業経営者が、この言葉を用いる際には、"(平時でも)常に戦場にいるような緊張感を持ち、真剣に事にあたらなければならない"という本来の意味で用いることがほとんどです。
「常在戦場」と言えば長岡藩(現在の新潟県長岡市)の牧野氏
古くから武士の心得として用いられてきた「常在戦場」。
この「常在戦場」を代々藩訓・家訓としてきたことで知られるのが、長岡藩(現在の新潟県長岡市)の牧野氏です。
牧野氏は、関ヶ原の合戦以降、争いのない天下太平の世であっても"(平時でも)常に戦場にいるような緊張感を持ち、真剣に事にあたらなければならない"ということを、藩士の精神規範として求めました。
ちなみに長岡藩の軍事総督として知られる河井継之助(かわい つぎのすけ)や、長岡市出身で連合艦隊司令長官を務めた山本五十六(やまもと いそろく)らが、「常在戦場」の書を残しているのだとか。
「常在戦場」の使い方(文例)
具体的な文例についても見てみましょう。
- 「常在戦場」の気持ちで、日々活動をすることは極めて重要だ。
- 「常在戦場」の心構えで、一層の緊張感を持たなければならない。
- 党首は「常在戦場」の構えを強めるよう所属議員に呼び掛けた。
- 任期の折り返しを過ぎたこともあり、衆議院議員はいつ総選挙があってもよいよう「常在戦場」の心構えをより強くしなければならない。
このように用いられます。
「常在戦場」の同義語・類義語
「常在戦場」に似た言葉には、「いざは常、常はいざなり」や「備えよ常に」、「万全の準備を整える」、「日頃から緊張感を持つ」などといった言葉があります。
- 「いざは常、常はいざなり」
- 「備えよ常に」
- 「万全の準備を整える」
- 「日頃から緊張感を持つ」
いずれにせよ、ビジネスパーソンとしては「常在戦場」の気持ちを持って、日々の仕事に取り組みたいものですね。
以上、「常在戦場」の意味と使い方についての説明でした。参考になれば幸いです。
- 牧野忠成(越後長岡藩初代)
(Wikipedia) - 河井継之助
(Wikipedia) - 山本五十六
(Wikipedia) - 「常在戦場」の意味を教えて下さい
(Yahoo!知恵袋)
※本記事は2016年9月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。
▶名経営者の必須条件!?「朝令暮改」の意味と使い方とは?
▶「玉石混合」の誤用に注意!「玉石混交」(「玉石混淆」)の意味と使い方とは?
▶朝礼ネタに使える!「つもり違い十訓」「福澤心訓」「心戒十訓」とは?