「金利が下がっても、住宅価格が高騰すれば金利低下分が『相殺』されかねない」「今期のA社は、金融部門がかなりの利益を出したものの不動産部門の不振が『相殺』し、最終的な利益はほとんどなくなってしまった」......。

このように経済誌の記事でも見る機会が多い「相殺」という言葉。

なんだか物騒な印象のある言葉ですが、いったいどのような意味や使い方があるのでしょうか?

貸し借りがチャラになる!「相殺」の読み方と意味とは?
この間、缶ジュースおごってあげたよね

「相殺」の読み方と意味とは?

まずは「相殺」という言葉の読み方と意味の確認からしましょう。

「相殺」は難読語のひとつとして大学受験などでもよく出題される言葉。"そうさい"と読みます。

主に"貸し借りを帳消しにすること"という意味があります。

"貸し借りがチャラになる"と考えてもよいでしょう。

「相殺」(読み方:"そうさい")の意味
  • "貸し借りを帳消しにすること"
  • "貸し借りがチャラになること"

次は「相殺」の例を見てみます。

「相殺」の例

例えば友人のBさんから以前1000円を借りていたAさん。いつか返そうと思っていたのですが、ついタイミングを逃してしまいBさんにお金を返し損ねていました。

そんなある日、街中でBさんに久しぶりにバッタリ出会い、お互いに時間もあったのでAさんはBさんに焼肉をご馳走します。

食事を終えた後の帰り道、「あ、そうそう、この前借りていた1000円も返さないと」とAさんが財布を取りだしたところ、Bさんは「いや、今回焼肉をおごってもらったし、なんだか悪いから『相殺』でいいよ」と言いました。

このように"貸し借りを帳消しにすること"が「相殺」となるわけです。



「相殺」の基本的な使い方

「相殺」という言葉は、主に「相殺する(される)」という表現で用いられます。

「相殺」の基本パターン
  • 相殺する(される)

「相殺」の具体的な文例

「相殺」を用いた具体的な文例についても見てみましょう。

「相殺」を用いた具体的な文例
  • 過去の過払金と現在の借入金が「相殺」され、借金がなくなった。
  • 金利が下がっても、住宅価格が高騰すれば金利低下分が「相殺」されかねない。
  • 今期のA社は、金融部門がかなりの利益を出したものの不動産部門の不振が「相殺」し、最終的な利益はほとんどなくなってしまった。

このように用いられます。

「相殺」の同義語・類義語

「相殺」の同義語・類義語にはどのような言葉があるでしょうか?

「相殺」に似た言葉には「帳消し」や「打消し」「チャラ」などといった言葉があります。

「相殺」の同義語・類義語
  • 「帳消し」
  • 「打消し」
  • 「チャラ」


いずれにせよ、「相殺」という言葉は社会人の常識として意味を知っておきたいところです。


以上、「相殺」の意味と使い方についての説明でした。参考になれば幸いです。

「相殺」について深く知る参考リンク

※本記事は2016年8月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。


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