「汎用性」の誤用表現

インターネットという腐海をさまよっていると出会う謎の言葉たち。

ここでは、そのひとつである「凡庸性」という言葉の謎を解明してみます。

いったい「凡庸性」ってナニモノ?

ネットで見つけた謎の言葉「凡庸性」の意味とは?
ぼ、凡庸性??

インターネットの掲示板やSNSで使用されている「凡庸性」

インターネットの掲示板やSNSをチェックしていると、決して少なくない人たちがある言葉を使用しているのに気がつきます。

それは「凡庸性」という言葉。

「凡庸性」は以下のように用いられています。

「凡庸性」を用いた文例
  • 小麦粉の「凡庸性」すごいよな
  • このスタンプの「凡庸性」高すぎ
  • 白のTシャツは「凡庸性」がある
  • 「凡庸性」の高いキャラがたくさんいる
  • すごく「凡庸性」が高くて驚きました!

小麦粉・スタンプ・白のTシャツ……。文脈を考えると、ものすごくほめています。

どうやら「使える」のような意味で、「凡庸性」という言葉は用いられているようです。

でも、元来「凡庸」という言葉にはネガティブな意味があったはず。



「凡庸性」という言葉は確かにある

と、ここで「凡庸」の意味を再確認してみましょう。

「凡庸」の読み方は"ぼんよう"。

「凡庸」には、"優れたところがないこと"や、"大したことがないこと"、"平凡なこと"といったネガティブな意味が基本的にあります。

「凡庸」(読み方:"ぼんよう")の意味
  • "優れたところがないこと"
  • "大したことがないこと"
  • "平凡なこと"

そして、「凡庸性」という言葉も確かにあることにはあるのですが、あまり一般的な言葉ではありません。

しかも、インターネットの掲示板やSNSにおいて使われているような、何かをほめる際に用いるような類の言葉ではないのです。

インターネットの掲示板やSNSにおける「凡庸性」は「汎用性」の誤用?

インターネットの掲示板やSNSで見かける「凡庸性」、実は「汎用性」の誤用なのではないかという意見があります。

「汎用」とは、簡単に言うと"使い勝手がよいこと"という意味。読み方は"ぼんよう"ではなく、"はんよう"になります。

「汎用」(読み方:"はんよう")の意味
  • "使い勝手がよいこと"

確かに字面も読み方も似ていると言えば似ています。

というわけで、先ほどの「凡庸性」を用いた文例を「汎用性」で言い換えてみしょう。

「凡庸性」を「汎用性」で言い換えてみると……
  • 小麦粉の「凡庸性」「汎用性」すごいよな
  • このスタンプの「凡庸性」「汎用性」高すぎ
  • 白のTシャツは「凡庸性」「汎用性」がある
  • 「凡庸性」「汎用性」の高いキャラがたくさんいる
  • すごく「凡庸性」「汎用性」が高くて驚きました!

全て意味が通じるのではないでしょうか?

そう、インターネットの掲示板やSNSで見かける「凡庸性」は、「汎用性」の誤用だったのです。

特に社会人は誤用に注意!

特に社会人は、「汎用(性)」と言うべきところを「凡庸(性)」にしてしまう誤用に注意したいところ。

例えば取引先の商品をほめる際に「いや、これは『凡庸性』が高い商品ですねぇ」と言ってしまい、気がついたら取引先が激怒していたなんてことにもなりかねません。

正解は「これは『汎用性』が高い商品ですねぇ」になります。


いずれにせよ、「汎用(性)」という言葉はビジネスシーンでもよく用いられる言葉なので、社会人の常識として「凡庸(性)」と意味を取り違えないよう知っておきたいところです。


以上、ネットで見つけた謎の言葉「凡庸性」の意味についての説明でした。参考になれば幸いです。

※本記事は2016年8月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。


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タグ: 誤用表現