「外務省の事務次官が中国を訪問、『カウンターパート』となる中国外交部の高官と会談した」「A社側は取締役執行役員が『カウンターパート』となった」......。
政治ニュースやビジネス系の記事で見聞きする機会も多い「カウンターパート」という言葉。
このカタカナ語「カウンターパート」には、いったいどのような意味があるのでしょうか?
英単語 counterpart に由来するカタカナ語「カウンターパート」
私たちが政治ニュースやビジネス系の記事でよく目にする「カウンターパート」は、英語の counterpart を語源とする言葉です。
ちなみに英単語 counterpart は大学受験では難レベルに相当する英単語。
そして英単語 counterpart には、"形や機能などが似たもの"や"対照物"などといった意味があります。
- "形や機能などが似たもの"
- "対照物"
例えば欧米における「マイルストーン(=milestone)」。日本で"形や機能などが似たもの"、すなわち counterpart は「一里塚」が相当するでしょう。
カタカナ語「カウンターパート」の意味とは?
政治やビジネスの世界でカタカナ語「カウンターパート」が使われるケースでは、主に"交渉(対応)相手"という意味で用いられます。
政治やビジネスの世界では、基本的には同格となる人物や役職者が「カウンターパート」となるのですが、特に交渉の場において相手側が格上(もしくは格下)の人物・役職者を出してきた場合には、相手方が交渉をどのように考えているのか、あるいはどのような力関係となっているのかを推察することができます。
例えば財務省と他の省庁の予算交渉。予算査定権のある財務省の担当者に対し、他の省庁は一ランク上となる役職者が「カウンターパート」となり予算交渉を行うのだとか。このような点から財務省と他の省庁の力関係が推察できるのではないでしょうか。
また、国際協力事業などにおいて、現地での"受入れ担当者や機関"を「カウンターパート」と呼んだり、大規模災害において、被災地ごとに支援自治体を割り当てる支援方式を「カウンターパート方式」と呼ぶことがあります。
- "交渉(対応)相手"
- "受入れ担当者や機関"
「カウンターパート」の使い方(文例)
具体的な文例も見てみましょう。
- 外務省の事務次官が中国を訪問、「カウンターパート」となる中国外交部の高官と会談した。
- 資材部長が挑んだ価格交渉では、A社側は取締役執行役員が「カウンターパート」となった。
- 今回の震災では、被災地ごとに支援自治体を割り当てる「カウンターパート方式」を採用することで、効率的な支援が可能となった。
このように用いられます。
「カウンターパート」の同義語・類義語
「カウンターパート」の同義語・類義語にはどのような言葉があるでしょうか?
「カウンターパート」に似た言葉には、「交渉(対応)相手」「同格の相手」「担当者(機関・部署)」などといった言葉があります。
- 「交渉(対応)相手」
- 「同格の相手」
- 「担当者(機関・部署)」
いずれにせよ、「カウンターパート」という言葉は社会人として知っておいて損はない言葉のひとつではないでしょうか。
以上、「カウンターパート」の意味と使い方についての説明でした。参考になれば幸いです。
※本記事は2016年8月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。