「『TPO』に合わせた服装を選ぶ」「『TPO』をわきまえない言葉遣いは人を不快にする」......。
ビジネスシーンでも聞く機会が多い「TPO」という言葉。「『TPO』とは何ですか?」と問われたら困ってしまう人も多いのではないでしょうか?
この「TPO」、実は著名な日本人デザイナーが広めた言葉だったのです。
「TPO」の意味とは?
まずは「TPO」という言葉の意味を確認しましょう。
「TPO」とは、Time(= "時間")、Place(="場所")、Occasion(="場合")のこと。それぞれの英単語の頭文字からなる和製英語です。
元々「TPO」は、ファッション業界で提唱されてきた言葉で、「『TPO』をわきまえたファッション」と言えば、「"時間"、"場所"、"場合"(シチュエーション)に応じて、ふさわしい洋服を選びましょう」という意味があります。
- Time = "時間"
- Place = "場所"
- Occasion = "場合"
現在ではファッションのみならず、言葉遣いをはじめとするビジネスマナー全般において、「TPO」という言葉が広く用いられています。
いずれのケースにおいても、ファッション同様に"時間"、"場所"、"場合"(シチュエーション)に応じた、ふさわしい選択をすることが求められています。
「TPO」の使い方
「TPO」の基本的な使い方について見てみましょう。
主に「TPOをわきまえる」や「TPOに合わせる」といった表現が好んで用いられます。
- TPOをわきまえる
- TPOに合わせる
- TPOを意識する
- TPOを考える
- TPOに応じて
「TPO」の文例
「TPO」の具体的な文例についても見てみます。
- 「TPO」に合わせた服装を選ぶ。
- 「TPO」を意識した髪型にする。
- 「TPO」に応じてネクタイを使い分ける。
- 「TPO」をわきまえない言葉遣いは人を不快にする。
- 親しい友人でも「TPO」はわきまえたほうがよい。
このように「TPO」は用いられます。
「TPO」の同義語・類義語
「TPO」に似た言葉には、「時と場合(に応じた)」「ドレスコード」などがあります。
「TPO」の言葉を広めたのは、『VAN』創業者・石津謙介氏
この「TPO」という言葉を広めたのは、ファッションメーカー『VAN』の創業者でもあるデザイナー・石津謙介氏(1911~2005)だとされています。
石津氏は、ブレザーとボタンダウンシャツをベースとした「アイビールック」を戦後の日本に紹介した人物。そのファッションや思想は、当時の若者のファッション文化やライフスタイルに多大な影響を与えました。
また「TPO」以外にも、現在の私たちが普段なにげなく使っている言葉の中には、石津氏が広めた言葉が数多くあります。
- カジュアル
- Tシャツ
- トレーナー
- ステンカラーコート(男性用の外套)
- ヘビー・デューティー(耐久性)
最近では「服装自由!」「茶髪OK!」「ネイルOK!」の職場も多い
最近では、転職サイトやアルバイト募集サイトを閲覧すると「服装自由!」「茶髪OK!」「ネイルOK!」といった職場も少なくないようです。
時代の流れと言ってしまえばそれまでですが、「TPO」という言葉を広めた石津氏は、どんな気持ちで天国からこの状況を眺めているのか聞いてみたい気もしますね。
以上、「TPO」の意味についての説明でした。参考になれば幸いです。
※本記事は2016年7月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。
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