自分で自分をほめてあげたい!
「我ながらよく描けたと『自画自賛』する」「映画監督は、最高の作品に仕上がったと『自画自賛』した」......。
このようにニュース記事などでもよく見る「自画自賛」という言葉。いったいどのような意味があるのでしょうか?
ここでは「自画自賛」の意味と使い方について考えてみたいと思います。
「自画自賛」の読み方と意味とは?
まずは「自画自賛」という言葉の読み方と意味の確認からしましょう。
「自画自賛」の読み方は"じがじさん"。
「自画」とは"自分で描いた絵"のことで、「自賛」とは"自らが書いた賛(ほめたたえる文章)を添えること"。
つまり、"自分で自分の作品や自分自身のことをほめること"という意味です(ちなみに「賛」の字を用いた熟語には「賛美歌(=キリスト教で神をたたえる歌)」や「賛歌(=たたえる気持ちを表した歌)」などがあります)。
また、「賛」は「讃」とも書くため、「自画自【讃】」とも表記できます。
- "自分で描いた絵に、自らが書いた、ほめたたえる文章を添えること"
- "自分で自分の作品や自分自身のことをほめること"
もちろん、自分の作品や自分自身に対し批判的な意見を述べたり、単に自己分析をするだけでは「自画自賛」とは言えません。
"ほめること"が「自画自賛」のポイントになります。
「自我自賛」の誤用に注意!
まれに「自【画】自賛」を「自【我】自賛」と表記しているケースを見かけますが、これは明らかな誤用なので気をつけましょう。
- 自画自賛(〇)
- 自画自讃(〇)
- 自我自賛(×)
「自我自賛」は決してネガティブなイメージではない
「自我自賛」は決してネガティブなイメージのある言葉ではありません。
例えば1996年のアトランタオリンピック、女子マラソンで銅メダルを取った有森裕子選手。ゴール後のインタビューで「メダルの色は、銅かもしれませんけれども(中略)初めて自分で自分をほめたいと思います」と語りました(ちなみに「自分で自分をほめたい」は1996年の『流行語大賞』にも選ばれました)。
典型的な「自我自賛」の例であると言えますが、彼女の言葉が多くの人に感動を与えたことは周知の事実です。
「自画自賛」の基本的な使い方
「自画自賛」の基本的な使い方(基本パターン)を見てみましょう。
基本的には「自画自賛する」という形で用いられます。
- 自画自賛する
- 自画自賛した
「自画自賛」の具体的な文例
「自画自賛」を用いた具体的な文例についても見てみましょう。
- 我ながらよく描けたと「自画自賛」する。
- 父は歌が上手いと「自画自賛」した。
- 映画監督は、最高の作品に仕上がったと「自画自賛」した。
- 「自画自賛」することは、自信のなさの裏返しだとも言われている。
このように用いられます。
「自画自賛」の同義語・類義語
「自画自賛」の同義語・類義語にはどのような言葉があるでしょうか?
「自画自賛」に似た言葉には「自賛(自讃)」や「自慢」、「手前味噌」などといった言葉があります。
- 「自賛(自讃)」
- 「自慢」
- 「手前味噌」
「自画自賛」することは決して悪いことではありませんが、ビジネスシーンにおいて「自画自賛」することは、ほどほどにしておいたほうがよいかもしれませんね。
以上、「自画自賛」の意味と使い方についての説明でした。参考になれば幸いです。
※本記事は2016年8月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。
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