「会議で『日和見』な態度をとる」「『日和見』ばかりしていると周囲から信頼を失う」......。

社会人になると聞く機会が増える「日和見」という言葉。

この「日和見」という言葉には、いったいどのような意味があるのでしょうか?

「ひよる(日和る)」の語源!「日和見」の意味とは?
勝ち馬に乗りたい!

■ 「日和見」の読み方と意味とは?

まずは「日和見」という言葉の読み方と意味の確認から。

「日和見」の読み方は"ひよりみ"。

元来、「日和見」は"節操がなく、状況次第で有利な方につこうとすること"という意味を持ちます。

【「日和見」(読み方:"ひよりみ")の意味】

・"節操がなく、状況次第で有利な方につこうとすること"

いわゆる「ご都合主義」のことでもあり、あまりよいイメージを持つ言葉ではありません。


■ 「日和見」の使い方(文例)

「日和見」を用いた、具体的な文例を見てみましょう。

【「日和見」を用いた文例】

・会議で「日和見」な態度をとる。

・上司が「日和見」主義で、いつもコロコロ考えを変えて困る。

・「日和見」ばかりしていると周囲から信頼を失う。

このように「日和見」という言葉は用いられます。


■ 『卑怯なコウモリ』は「日和見」のわかりやすい例え

イソップ童話のひとつに『卑怯なコウモリ』という話があります。有名な話なので、みなさんも知っているかもしれません。

この『卑怯なコウモリ』の話は、「日和見」のわかりやすい例えだと言えるでしょう。

獣と鳥の戦争中、コウモリは獣が有利になると「私は全身に毛が生えているから、獣の仲間です」と言い、鳥が有利になると「私は羽があるから、鳥の仲間です」と、有利な方につこうとしました。

その後、鳥と獣は和解したものの、双方にいい顔をしたコウモリは鳥からも獣からも仲間はずれにされてしまい、居場所のなくなったコウモリは、やがて暗い洞窟の中へ身を潜め夜だけ飛ぶようになった......という話です。


■ 『山崎の戦い』での筒井順慶の挙動も「日和見」?

日本史にも「日和見」だとされる有名な事例があります。それは、『本能寺の変』後の筒井順慶(つついじゅんけい)の挙動。

大和国(現在の奈良県)の大名であった順慶は、友人・明智光秀が織田信長に謀反を起こした『本能寺の変』(1582年)の後、光秀から味方になるよう誘いを受けます。

順慶は、最終的には羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)側に付くことを決めたのですが、明智光秀側と羽柴秀吉側の重要な戦である『山崎の戦い』では、京都と大阪の境にある『洞ヶ峠(ほらがとうげ)』に布陣し、様子見を決め込んだのです。

この順慶の挙動は後世において「日和見」であるとされ、「洞ヶ峠を決め込む(=「日和見」な態度を取ること)」という言葉まで生まれました(順慶の名誉のために言うと、「順慶はあくまで中立を保った」という好意的な評価があるのも事実です)。


■ 全共闘世代が使った「ひよる(日和る)」という言葉

また、「日和見」を語源とする俗語に「ひよる(日和る)」という言葉があります。

この「ひよる(日和る)」は、1960年代の学生運動が盛んな頃、全共闘世代の学生たちの間で流行った言葉で、"何かと理由をつけて闘争から逃げ出したり、遊んでしまう"ことや人物に対して批判的に用いられました。

【全共闘世代の学生たちが用いた「ひよる(日和る)」の意味】

・"何かと理由をつけて闘争から逃げ出したり、遊んでしまう"

年配の方の中には、この「ひよる(日和る)」を会話の中で使う人は少なくありません。

年配の方が「ひよる(日和る)」と言った場合、"何かと理由をつけて逃げ出したり、遊んでしまう"ことや、"楽な方へ流される"ことを意味していることが多いようです。


■ 現在、若者の間で使われている「ひよる」とは?

ちなみに、現在でも、若者の間では「ひよる」という言葉がよく使われています。

しかし、現代の若者が使う「ひよる」は「日和見」が語源ではなく、「ひ弱(="軟弱であること")」が語源であるとされ、「ビビる」などと同じような使われ方をしています。

【現代の若者が使う「ひよる」の意味】

・"ひ弱になる""おじけづく""ひるむ""ビビる"


■ 「日和見」の同義語・類義語

「日和見」の同義語・類義語にはどのような言葉があるでしょうか?

「日和見」に似た言葉には、「節操がない」「有利な方につく」「勝ち馬に乗る」「ご都合主義」「様子見」「風見鶏」「二股膏薬("ふたまたごうやく")」、それから筒井順慶の話から「洞ヶ峠(を決め込む)」などがあります。

【「日和見」の同義語・類義語】

・「節操がない」

・「有利な方につく」

・「勝ち馬に乗る」

・「ご都合主義」

・「様子見」

・「風見鶏」

・「二股膏薬」

・「洞ヶ峠(を決め込む)」




いずれにせよ、ビジネスパーソンとしては「日和見」だと後ろ指をさされないようにしたいものですね。


以上、「日和見」の意味と使い方についての説明でした。参考になれば幸いです。

《「日和見」について深く知る参考リンク》

卑怯なコウモリ
(Wikipedia)

筒井順慶
(Wikipedia)


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