「うちの会社は『5S』がなってないな」「うちの会社でも『5S』を導入しよう」......。
ビジネスシーンでよく聞く「5S」という言葉。いったいどのような意味があるのでしょうか?
「5S」の読み方と意味とは?
まずは「5S」という言葉の読み方と意味の確認から。
「5S」の読み方は"ごえす"。
「5S」とは"整理"・"整頓"・"清掃"・"清潔"・"躾"のことです。それぞれの言葉をローマ字で表した際、頭文字が全て「S」であるという点に由来します。
- "整理"=Seiri
- "整頓"=Seiton
- "清掃"=Seisou
- "清潔"=Seiketsu
- "躾"=Sitsuke
日本を代表する多くの企業で取り入れられている「5S」
本来「5S」は、特に製造業(の工場)における基本の徹底と、それに伴う作業の効率化を目指すための言葉だったのですが、現在では製造業(の工場)以外の多種多様な職種や職場でも積極的に導入されています。
企業においては単に「5S」と言ったり、「5S管理」「5S活動」「5S運動」などと呼んだりします。
トヨタや日本電産など日本を代表する多くの企業で、この「5S」や「5S」を進化させたものが取り入れられていることでも知られています。
「5S」の内容である"整理"・"整頓"・"清掃"・"清潔"・"躾"、個々の言葉の意味と実際の例についても見てみましょう。
① "整理"の意味と実際の例
"整理"とは、必要なものと不要なものを分けて、不要なものを処分(捨てる)こと。
- 不要になった書類を処分する。
- もう使わない道具類を捨てる。
職場のデスクの上が汚いという人は、まずは不要なものを処分(捨てる)ことからはじめてみては?
② "整頓"の意味と実際の例
"整頓"とは、"整理"して残した必要なものを適切な場所に片付けること。
- 使用した道具を使用後に所定の位置に戻す。
- 退社時に自分のデスク周りを片付ける。
デスクの上が汚くて「あれ、あの書類はどこに置いたんだろう」と時間をかけてガサゴソ探し回った経験をしたことのあるビジネスパーソンも少なくないはず。
"整頓"できていないということは大きな時間のロスにもつながり、年間にすると膨大な時間を無駄にする可能性も出てきます。
ちなみに"整理"と"整頓"の違いを知らない人は意外と多いもの。この機会にぜひ覚えましょう。
③ "清掃"の意味と実際の例
"清掃"とは、自分が働く職場内やデスク周りの掃除をすること。
- 毎朝、出社時にデスク周りや社内の掃除を行う。
- 退社時に社内のゴミ拾いをする。
きれいな職場環境だと士気が高まりやすいものですし、特に工場では安全対策にもつながります。
また優良企業の中には、経営者自身が率先して社内の掃除を行う企業が多いという話を、みなさんも目にしたことがあるのではないでしょうか。
④ "清潔"の意味と実際の例
"清潔"とは、"整理"・"整頓"・"清掃"を継続的に行うことで職場環境をきれいな状態に保つこと。
職場環境のみならず、特にサービス業においては従業員の身だしなみを"清潔"にすることも重要です。
- "整理"・"整頓"・"清掃"を継続的に行う
- 従業員の髪型や服装など、身だしなみをきちんとする。
⑤ "躾(しつけ)"の意味と実際の例
"躾(しつけ)"とは、社内で決められた業務上のルールや業務手順をきちんと守る習慣をつけること。
ルールや手順を一人一人が順守することで、全体としての業務の効率化が期待できます。
また、ビジネスパーソンにとっては、社会人としてのマナーを身につけ実践することも"躾"に該当するでしょう。
- 社内の業務上のルールや業務手順を順守する。
- 社内および社外でのあいさつの励行をする。
「5S」の同義語・類義語
「5S」に似た言葉には、「凡事徹底」があります。
「凡事徹底」の意味は、"当たり前のことを徹底的に行うこと"。例えば掃除やあいさつなど、慣れとともに軽視してしまいがちな基本を徹底的に行わなければならないということを意味します。
「5S」同様に基本の大切さを説き、ビジネスシーンでよく用いられる四字熟語です。
以上、「5S」の意味についての説明でした。参考になれば幸いです。
※本記事は2016年7月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。
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