「『清水の舞台から飛びおりる』覚悟で挑戦したい!」......。
何か重大な決心や決断をした際に使われる「清水の舞台から飛びおりる」という表現。いったいどのような意味と使い方があるのでしょうか?
ちなみにこの表現、意外と言い間違えをしている人が多いので、スピーチなどで使用する場合は気をつけたいところです。
「清水」=「清水寺」のこと
まずは「清水の舞台から飛びおりる」の意味の確認から。
「清水」とは、現在の京都市東山区にある清水寺(きよみずでら)のこと。「清水の舞台」とは、清水寺の本堂の一部である舞台を指します。
そして、古くから、この清水寺の舞台から身を投げる「舞台飛び落ち」をする人が絶えなかったのだとか。
修学旅行や観光で清水寺を訪れたり、あるいはテレビなどで見たことのある人も多いかと思いますが、清水寺の舞台は、山の斜面にせり出すようにして建てられており、相当な高さがあります。
「清水の舞台から飛びおりる」ということは、かなりの覚悟が必要だったことでしょう。
「清水の舞台から飛びおりる」の意味と使い方とは?
このような経緯があって、「清水の舞台から飛びおりる」には"一大決心をして物事を決断する"という意味が含まれるようになったのです。
(読み方:きよみず(の)ぶたい(から)と(びおりる))の意味
- "一大決心をして物事を決断する"
現代においても、何か重大な決心や決断をした際には、スピーチなどで「清水の舞台から飛びおりる」の表現がよく用いられています。
- 「清水の舞台から飛びおりる」気持ちで決断した。
- 「清水の舞台から飛びおりる」覚悟で挑戦する。
ある衆議院議員が発言した「『崖から飛びおりる』覚悟で挑戦したい」
2016年6月、舛添要一東京都知事の辞職に伴う都知事選に出馬表明をした、ある女性衆議院議員が記者会見の席上で「『崖から飛びおりる』覚悟で挑戦したい」と発言し話題となりました。
ネット上では、多くの人が素早く反応します。
- 「崖から飛びおりちゃダメ!」
- 「言葉がおかしい」
- 「『清水の舞台から飛びおりる』ではないのか?」
「崖から飛びおりる」でも、なんとなく言いたいことは伝わりますが、ここはやはり「清水の舞台から飛びおりる」と表現したいところですね。
ただ、このような言い間違えをしているビジネスパーソンは意外と多いもの。スピーチなどで「清水の舞台から飛びおりる」と表現する際には、ぜひ気をつけたいところです。
以上、「清水の舞台から飛びおりる」の意味と使い方についての説明でした。参考になれば幸いです。
※本記事は2016年6月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。
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