「サービスを成長させるためには『KPI』の設定が重要だ」「うちは PV を『KPI』に設定しているんだよ」。
組織やプロジェクトに関する評価基準として耳にする機会が多い「KPI」という言葉。いったいどのような意味があるのでしょうか?
ちなみにビジネスパーソンとしては、「KPI」だけでなく「KGI」も知っておいたほうがよいみたいです......。
セットで覚えたい「KPI」と「KGI」
冒頭でも述べた通り、「KPI」の意味を理解するためには「KGI」という言葉も知っておくとよいかもしれません。
なぜなら、この二つの言葉、「KPI」と「KGI」はセットで考えるとわかりやすいから。
そこで、ここでは「KPI」と「KGI」を対比させながら、それぞれの言葉の意味を考えてみます。
「KPI」と「KGI」の辞書的な意味とは?
まずは「KPI」と「KGI」の辞書的な意味の確認をしましょう。
「KPI」も「KGI」も組織やプロジェクトに関する評価基準として用いられる言葉です。
「KPI」は、Key Performance Indicator の略で、日本語にすると"重要業績評価指標"という意味があります。
一方の「KGI」は、Key Goal Indicator の略。日本語にすると"重要目標評価指標"です。
- KPI (Key Performance Indicator)
="重要業績評価指標" - KGI (Key Goal Indicator)
="重要目標評価指標"
これだけでは、ちょっとわかりにくいですね。
街のお豆腐屋さんの「KGI」
街のお豆腐屋さんを例に「KPI」と「KGI」を考えてみましょう。
先に「KGI」("重要目標評価指標")から。
「KGI」とは、Goal という言葉がついているように、組織やプロジェクトの"ビジネス上の最終的なゴール(目標)"を定量的に表した数値となります。業種にもよりますが、一般的には「売上」「利益」「受注件数」などが設定されることが多いようです。
街のお豆腐屋さんであれば、「月間の売上額の目標(例えば月間の売上額の目標を220万円にすること)」が「KGI」となるでしょう。
街のお豆腐屋さんの「KPI」
一方の「KPI」("重要業績評価指標")。
「KPI」とは、最終的に「KGI」を達成するために、"日々の業務の中で設定された各種数値目標"を意味します。「KGI」同様に定量的な数値となり、一般的には「営業件数」「引き合い件数」「成約率」などが設定されることが多いようです。
街のお豆腐屋さんであれば、月間の売上額の目標220万円を達成するためには、(22営業日として)1日10万の売上が必要。1日10万の売上を達成するために単価100円のお豆腐を1日1000個販売する必要があります。この「1日1000個販売するという目標」が「KPI」になります。
- KPI (Key Performance Indicator、"重要業績評価指標")
="ビジネス上の最終的なゴール(目標)"
=街のお豆腐屋さんなら「月間の売上額の目標」 - KGI (Key Goal Indicator、"重要目標評価指標")
="日々の業務の中で設定された各種数値目標"
=街のお豆腐屋さんなら「1日1000個販売するという目標」
「KPI」の設定はかなり自由度が高く、例えばデータから「単価200円のがんもどきを1日100個販売すると、1日10万円の売上を達成することが多い」ということがわかれば、「がんもどきを1日100個販売する」を「KPI」に設定してもよいのです。
他にも「客単価」や「来客数」を「KPI」に設定できるでしょう。
ビジネス上では「KGI」のほうが重要
このように「KPI」と「KGI」は、セットで考えるとわかりやすい言葉です。
また、「KGI」は「KPI」の上位概念であり、当然ながらビジネス上では、"日々の業務の中で設定された各種数値目標"である「KPI」よりも、"ビジネス上の最終的なゴール(目標)"である「KGI」のほうが重要となります。
ビジネスシーンでは、どうしても「KPI」のほうが注目されることが多いのですが、あくまで「KPI」は「KGI」を達成するための中間目標にすぎないのです。
Twitter と Facebook における「KGI」と「KPI」
実際にIT企業で用いられている「KGI」と「KPI」の事例を見てみましょう。
例えば Twitter と Facebook における「KGI」と「KPI」。
- KPI (Key Performance Indicator、"重要業績評価指標")
Twitter = MAU(1ヶ月に利用するユーザー数)
Facebook = MAU(1ヶ月に利用するユーザー数) - KGI (Key Goal Indicator、"重要目標評価指標")
Twitter =新規ユーザーが登録7日以内に7名以上をフォローすること
Facebook =新規ユーザーが登録10日以内に7人の友達とつながること
IT企業の場合、提供する Web サービスのユーザー数の増加が、そのまま企業の利益につながりやすくなります。
そのため、MAU(1ヶ月に利用するユーザー数)や PV(ページビュー)を「KGI」に設定し、(データから経験則として得られた)ユーザーが継続的に Web サービスを利用するためのアクションを「KPI」に設定していることが多いようです。
いずれにせよ、「KPI」と「KGI」はセットで覚えておきたい言葉であることは確かです。
以上、「KPI」と「KGI」の意味と違いについての解説でした。参考になれば幸いです。
※本記事は2016年6月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。
▶IT系ビジネスパーソン必須の言葉!?「マネタイズ」とはどういう意味?
▶情報感度が高く自ら情報発信をする層…「アーリーアダプター」の意味とは?
▶ビジネスシーンで使われる「カニバリ(カニバリゼーション)」とはどういう意味?