日本を代表する企業のひとつであるソニー株式会社。

そのソニーの歴史について語られる際によく出てくるのが、「ソニーショック」という言葉です。

ここでは、2003年に起きた「ソニーショック」とは、どのような出来事だったのかを説明します。

日経平均株価最安値更新の悪夢…2003年の「ソニーショック」とは?
photo by 足成

「ソニーショック」とは?

「ソニーショック」とは、2003年4月に株式市場で起きた一連の出来事を指します。

2003年4月のソニーの決算発表をきっかけに、日経平均株価がバブル崩壊後の最安値を2日連続で更新してしまったのです。

「ソニーショック」とは?
  • 2003年4月、ソニーの決算発表をきっかけに、日経平均株価がバブル崩壊後の最安値を2日連続で更新してしまった出来事。



ハイテク企業の代表格として注目を浴びていたソニー

ソニーは1990年代後半からハイテク企業の代表格として注目を浴び、2000年初頭には株価が(一時的にですが)1万6千円を超えることもありました。

また、1995年には出井伸之氏がソニー創業以来初の生え抜き社長に就任。「リ・ジェネレーション(第2創業)」、「デジタル・ドリーム・キッズ」をキャッチフレーズにソニーのハイテク企業化をすすめます(出井氏は2000年に代表取締役会長に)。

ちなみに2003年当時のソニーの主力商品は、家庭用ゲーム機(PlayStation 1994年発売開始)と個人用パソコン(VAIO 1997年発売開始)でした。

しかし2002年から2003年にかけて、好調を維持していた個人用パソコンをはじめ、ソニー全体の売上が振るわなくなってきたのです。

それでもなお市場全体が総楽観する中、2003年4月にソニーの決算発表を迎えます。

「ソニーショック」の発端はソニーの決算発表

2003年4月24日、ソニーは3720円の終値で取引を終了。

そして、取引終了後に2002年4月~2003年3月の連結決算が発表され、市場に衝撃を与えます。

ソニーの連結決算の内容は……

2003年4月に発表されたソニーの連結決算の内容
  • 営業利益が前期比38%増(約1854億円)となるものの、同社従来予想より1000億円下回る結果に
  • 第4四半期(2003年1~3月期)の連結営業損益が約140億円の赤字
  • 2004年度通期の業績計画の見通しが大幅減益

という内容でした。

株式市場への影響

翌25日は大量のソニー株の失望売りが殺到。25日は売買が成立せず、株価はストップ安の3220円に。さらに週明けの28日にも売りが殺到。株価は再度ストップ安をつけ、2720円となる異常事態になります。

ソニー株のストップ安は次々と連鎖反応を起こします。市場ではソニーと似た事業領域を持つ松下電器産業やパイオニアをはじめとする電機・ハイテク関連株、さらには銀行株まで売られました。

その結果、日経平均株価はバブル崩壊後の最安値を2日連続で更新。

このソニー関係者のみならず市場関係者にとって悪夢のような一連の出来事を「ソニーショック」と呼ぶのです。


以上、「ソニーショック」についての説明でした。参考になれば幸いです。

「ソニーショック」について深く知る参考リンク

※本記事は2016年6月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。


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