合意形成の第一歩
「企画書の『たたき台』を作成する」「『たたき台』をもとに議論を進める」......。
このようにビジネスシーンでよく聞く「たたき台」(「叩き台」あるいは「敲き台」とも)という言葉。この言葉には、いったいどのような意味があるのでしょうか?
ここでは「たたき台」という言葉の意味や使い方について考えてみたいと思います。
「たたき台」の意味とは?
まずは「たたき台」(「叩き台」あるいは「敲き台」とも)という言葉の意味の確認をしましょう。
「たたき台」とは、”これから議論を行うための素案”のこと。
ちなみに『広辞苑』では、”これから批判・検討を加えて良い案にしていくための、最初に出される案”と定義しています。
- ”これから議論を行うための素案”
- ”これから批判・検討を加えて良い案にしていくための、最初に出される案”(引用:『広辞苑』第五版)
また、「たたく(叩く)」という言葉には、私たちがよく知っている”ぶつ”という意味以外にも(専門家などに)”質問する”、”打診する”といった意味があります。
- ”ぶつ”
- (専門家などに)”質問する”、”打診する”
ビジネスシーンにおける「たたき台」
ビジネスシーンにおける「たたき台」とは、企画書や提案書といった正式な文書を作成する前段階で出される”ラフな素案”を指します。
この”ラフな素案”をもとに関係者が話し合いや議論を行うことで、内容やアイデアがブラッシュアップされていき、関係者での合意形成がなされ最終的な案が決定します。
ですから、例えば新入社員が先輩から「企画書の『たたき台』を作ってきて」などと言われた場合には、初めから完璧なものを作ろうとはせず、粗くても構わないので要点を押さえた素案を作成し、関係者が議論しやすいようにしておくとよいでしょう。また、あらかじめ必要なデータを収集して添えておくと関係者が議論がはかどります。
「たたき台」の具体的な使い方(文例)
「たたき台」という言葉は、実際にはどのように用いられるのでしょうか。
具体的な文例で確認しましょう。
- 議論の「たたき台」づくりをする。
- 企画書の「たたき台」を作成する。
- 「たたき台」をもとに議論を進める。
- 「たたき台」をもとに事業計画の方向性を決めていく。
このように用いられます。言葉が持つイメージを理解できたでしょうか。
「たたき台」の同義語・類義語
「たたき台」の同義語・類義語についても考えてみましょう。
似た言葉には「素案」や「試案」、「原案」、「草案」、「下書き」、さらには「ドラフト(英語 draft より)」、「一番最初の案」などといった言葉があります。
- 「素案」
- 「試案」
- 「原案」
- 「草案」
- 「下書き」
- 「ドラフト(英語 draft より)」
- 「一番最初の案」
いずれにせよ、「たたき台」という言葉はビジネスシーンでよく用いられる言葉なので、社会人の常識として意味を知っておきたいところです。
以上、「たたき台」の意味と使い方についての説明でした。ビジネスパーソンのみなさんの参考になれば幸いです。
※本記事は2016年5月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。