ここでは各種ビジネス文書で使える、「〇〇の候」の表現を用いた定番の「時候の挨拶(季節の挨拶)」を月別にまとめます。ちなみに「候」とは"時候""季候"の意味を持つ語です。

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■ ビジネスシーンでの「時候の挨拶(季節の挨拶)」の使い方

「時候の挨拶(季節の挨拶)」とは、手紙などにおいて、本文の前に置かれる前文部分で用いられる表現。頭語の直後の文章の書きはじめに「時候の挨拶(季節の挨拶)」を添えるのが一般的です。

拝啓〈←頭語〉

------------↓前文部分------------

初冬の候〈←時候の挨拶(季節の挨拶)〉、ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

------------↑前文部分------------
 さて~〈以下本文〉

ビジネスシーンでは、ややかしこまった挨拶文で主に用いられます。


■ ビジネスで使える月別定番「時候の挨拶(季節の挨拶)」一覧

◆ 1月

【1月】-睦月(むつき)

・新春の候(しんしゅんのこう)
・初春の候(しょしゅんのこう)
・大寒の候(だいかんのこう)

《1月解説》

寒い季節が続きますが、新年を迎えて心機一転といきたいところですね。そんな1月の定番の時候の挨拶は「新春の候」に「初春の候」。「大寒の候」の大寒は二十四節気のひとつ(例年1月20日頃)で、文字通り1年のうちで最も寒い季節を意味します。


◆ 2月

【2月】-如月(きさらぎ)

・立春の候(りっしゅんのこう)
・向春の候(こうしゅんのこう)
・余寒の候(よかんのこう)

《2月解説》

2月、春へ向けてフレッシュな気持ちを持ちたいところです。「立春の候」の立春は二十四節気のひとつ(例年2月4日頃)で、「向春の候」の向春とは春が訪れようとしている様子を表します。また「余寒の候」の余寒は立春以降のまだまだ寒さが続く様子を表す言葉。いずれも風情がありますね。ちなみに「早春の候」も2月から使えます。


◆ 3月

【3月】-弥生(やよい)

・早春の候(そうしゅんのこう)
・啓蟄の候(けいちつのこう)
・春分の候(しゅんぶんのこう)

《3月解説》

「早春の候」は2月から3月の上旬頃まで使える時候の挨拶。「啓蟄の候」の啓蟄は二十四節気のひとつ(例年3月6日頃)で、冬眠していた虫たちが春の陽気に誘われて出てくる様を表します。また「春分の候」の春分も二十四節気のひとつ(例年3月21日頃)。この日に昼夜の時間が同じとなり、いよいよ春の訪れが本格化します。


◆ 4月

【4月】-卯月(うずき)

・陽春の候(ようしゅんのこう)
・春暖の候(しゅんだんのこう)
・桜花の候(おうかのこう)

《4月解説》

次第に暖かさが増してくる4月、気持ちのいい季節になってきました。「陽春の候」の陽春は文字通り陽気に満ちた春、「春暖の候」の春暖は春の気候や温度がほどよい様子を表す言葉です。「桜花の候」の桜花も桜の花を表す素敵な言葉ですね。


◆ 5月

【5月】-皐月(さつき)

・新緑の候(しんりょくのこう)
・若葉の候(わかばのこう)
・薫風の候(くんぷうのこう)

《5月解説》

桜の花が散ると夏のはじまり。木々の葉があざやかになってきます。そのような様子を表すのが「新緑の候」や「若葉の候」といった表現。また、若葉の香りを運んでくるさわやかな南風を薫風と言います。「薫風の候」も素敵な表現です。


◆ 6月

【6月】-水無月(みなづき)

・初夏の候(しょかのこう)
・向夏の候(こうかのこう)
・梅雨の候(つゆのこう)

《6月解説》

6月は「初夏の候」「向夏の候」「梅雨の候」といった表現が定番の時候の挨拶。TPOに合わせて使い分けてください。向夏とは文字通り"夏に向かうこと""日増しに夏らしくなること"を意味します。




◆ 7月

【7月】-文月(ふみづき)

・盛夏の候(せいかのこう)
・盛暑の候(せい しょのこう)
・大暑の候(たいしょのこう)

《7月解説》

7月、夏本番の季節です。7月は「盛夏の候」「盛暑の候」が定番の時候の挨拶。また「大暑の候」の大暑は二十四節気のひとつ(例年7月23日頃)を表します。


◆ 8月

【8月】-葉月(はづき)

・残暑の候(ざんしょのこう)
・晩夏の候(ばんかのこう)
・残夏の候(ざんかのこう)

《8月解説》

8月は「残暑の候」「晩夏の候」「残夏の候」などが定番の時候の挨拶。気象庁の用語定義によると、残暑とは"立秋(8月8日頃)から秋分(9月23日頃)までの間の暑さ"であるとされています。晩夏・残夏は"夏の終わり"という意味です。


◆ 9月

【9月】-長月(ながつき)

・初秋の候(しょしゅうのこう)
・爽秋の候(そうしゅうのこう)
・秋冷の候(しゅうれいのこう)

《9月解説》

まだまだ暑い日が続きますが暦の上ではもう秋。9月は「初秋の候」が定番の時候の挨拶となります。他にも"さわやかで心地よい秋"を表す「爽秋の候」や、"秋になって感じる冷やかさ"を表す「秋冷の候」などがあります。


◆ 10月

【10月】-神無月(かんなづき)

・仲秋の候(ちゅうしゅうのこう)
・秋冷の候(しゅうれいのこう)
・清秋の候(せいしゅうのこう)

《10月解説》

季節は秋、過ごしやすい季節になってきました。10月の時候の挨拶には「仲秋の候」「秋冷の候」「清秋の候」といったものがあります。仲秋は"秋の半ば"、秋冷は"秋になって感じる冷やかさ"、清秋は"空が清く澄みわたった秋の様子"を表す言葉です。


◆ 11月

【11月】-霜月(しもつき)

・深秋の候(しんしゅうのこう)
・向寒の候(こうかんのこう)
・晩秋の候(ばんしゅうのこう)

《11月解説》

11月、秋もだいぶ深まってきました。11月には「深秋の候」「向寒の候」「晩秋の候」といった時候の挨拶があります。ちなみに晩秋は11月中旬から12月初めあたりを指す言葉だとされています。


◆ 12月

【12月】-師走(しわす)

・師走の候(しわすのこう)
・初冬の候(しょとうのこう)
・寒冷の候(かんれいのこう)

《12月解説》

さあいよいよ12月になりました。陰暦12月の異名でもある師走。年末年始に向けて誰もが走り回る多忙な時期ですね。12月には「師走の候」「初冬の候」「寒冷の候」といった時候の挨拶があります。初冬は立冬(例年11月8日ごろ)から12月中旬あたりを指す言葉です。


以上、月別定番「時候の挨拶(季節の挨拶)」でした。


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