できれば起こしたくない顧客情報の流出。しかし不慮の事故などで顧客情報が流出してしまう可能性もあります。
万が一、そのような事態になった際にはどのようなお詫びとお知らせの文章を作成すればよいかを、ここでは考えてみたいと思います。
「顧客情報流出」のお詫びとお知らせのポイント
顧客情報の流出が判明した際には、できるだけ早急にプレスリリースを出す必要があります。発表が遅れるほど会社の信用が棄損されていくと思っても差し支えありません。
そして「顧客情報流出」のお詫びとお知らせをする際の最大のポイントは、『事実関係(顧客情報流出の経緯)』と『対応策』を詳細に知らせること。具体的であればあるほど、後になって真摯な対応であったと評価される可能性も出てきます。
お詫びとお知らせのポイントは以下の通りになります。
- お詫びとお知らせの文章は代表者名で発表する
- 基本的に前文(時候の挨拶など)は省略する
- 事実関係(顧客情報流出の経緯)を詳細に報告する
- 現状における対応策、今後の対応策を詳細に報告する
- 問い合わせ先を明記する
具体的な文例はどのようになるかを見てみましょう。
「顧客情報流出」のお詫びとお知らせ文例
20××年〇月〇日各位株式会社 △△代表取締役社長 山田太郎お客様情報の流出に関するお詫びとお知らせ
20××年〇月〇日、弊社サービス △△ の Web サイトのサーバーに対し不正アクセスがあり、一部のお客様情報が流出したことが判明いたしました。
このような事態を引き起こし、お客様に多大なご迷惑とご心配をおかけすることになりましたことを深く反省し、お詫び申し上げます。
1.経緯
20××年〇月〇日午前 9 時 40 分頃、△△の Web サイトで使用していたソフトウェアの脆弱性を悪用して不正アクセスが実行されました。
20××年〇月〇日にこのソフトウェアメーカーが公開した修正プログラムを設定したのち、アクセスログを解析したところ、20××年 5 月 1 日~20××年 5 月 10 日に△△の Web サイトから資料請求のお申込みをいただいた方の個人情報の流出が判明いたしました。
なお、〇月〇日午前 9 時現在、流出した個人情報の第三者による不正使用の事実は確認されておりません。
2.流出した個人情報
流出した個人情報は以下の通りです。
資料請求にお申し込みいただいたお客様 420 名分
(20××年 5 月 1 日~20××年 5 月 10 日に△△の Web サイトから登録された方)《個人情報の詳細》
氏名・性別・電話番号・メールアドレス・郵便番号・住所3.対応
原因となったソフトウェアを削除するとともに、その他のシステムについても安全性の確認作業を実施し対策を講じました。また、該当するデータはサーバー上から削除し安全な場所に保管いたしました。
本件に該当するお客様には、お詫びとご報告、ならびに事情説明の実施に努めております。
4.今後の対策
今後、同様の事態が発生しないよう個人情報の管理の徹底、及びセキュリティー強化の対策を実施し安全性の確保に努めて参ります。
5.お願い
差出人や件名に「△△(社名)」の表記があるメール、メッセージなどにご注意ください。不審なメールや電話については、くれぐれもご注意いただきますようお願いいたします。
<本件に関するお客様の照会窓口>株式会社 △△ 総務部 00-0000-0000日・祝日を除く 9:00~20:00以上
真摯な対応が「ピンチをチャンスに変える」
お詫びとお知らせの文章で求められることは、一にも二にも真摯であること。スピード感を持って事実と対応策を関係者に知らせることができれば、結果的に「ピンチをチャンスに変える」ことができるでしょう。
以上、「顧客情報流出」のお詫びとお知らせ文例でした。
※本記事は2016年5月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。
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