「アプリのマネタイズ手法を考える」「Webサービスのマネタイズ戦略」「成長フェーズからマネタイズのフェーズに移行する」......。IT系のビジネス記事を読んでいると頻繁に「マネタイズ」という言葉が登場します。
この「マネタイズ」という言葉は、文脈からなんとなく理解できるのだけれど他人に説明しにくい言葉のひとつではないでしょうか。そこで「マネタイズ」には、いったいどのような意味があるのかを再確認してみます。
「マネタイズ」="収益化""広告料収入モデルの確立"という意味
現在、IT系のビジネス記事でよく使われている「マネタイズ」という言葉は、主に"収益化"という意味で用いられることがほとんど。簡単に言うと"お金を生むこと"ですね。
開始当初は無料サービスや無償コンテンツによりユーザー数やPV(ページビュー)数を増加させ、サービスを発展させることが多いIT系サービスでは、ある一定のユーザー数やPV数を獲得した後に「マネタイズ」、すなわち"収益化"が課題となります。
ちなみにIT系サービスの"収益化"の方法としては、ユーザーへの課金(有料会員)や手数料収入、広告料収入などが挙げられます。
また、IT系サービスの多くは広告料収入が収益の中心になるケースが多いため、"収益化"の中でも特に"広告料収入モデルの確立"という意味で「マネタイズ」という言葉が使われることもあります。
- "収益化"(="お金を生むこと")
- "広告料収入モデルの確立"
いずれにせよ、多くの場合においては"収益化"という意味で「マネタイズ」という言葉を理解しておくとよいでしょう。
例えばこんな感じで言い換えることもできます。
- アプリの「マネタイズ」手法
⇒アプリの"収益化"手法 - Webサービスの「マネタイズ」戦略
⇒Webサービスの"収益化"戦略 - 成長フェーズから「マネタイズ」のフェーズに移行する
⇒成長フェーズ(局面)から"収益化"のフェーズ(局面)に移行する
「マネタイズ」の語源についても考えてみましょう。
「マネタイズ」の語源は monetize
「マネタイズ」は英単語 monetize に由来しています。monetize は高校レベルでも習わない見慣れない英単語ですが、それもそのはず monetize は本来"貨幣として~を鋳造する"などといった意味を持つ、あまり普段使われない動詞です。
それが最近、IT系サービスの隆盛とともに名詞化し"収益化"という意味が与えられ頻繁に使われるようになってきたようです。
ちなみに monetize を分解すると”お金”を意味する money と、"~化する"という意味の接尾辞 -ize から成り立っていることがわかります。"お金を生むこと"というイメージがなんとなく湧いてきますね。
- (動詞として)"貨幣として~を鋳造する"
- (名詞として)"収益化"(="お金を生むこと")
というわけで「マネタイズ」という言葉。特にIT系のビジネスパーソンはぜひ覚えておきたい言葉のひとつです。
- 課金、イベント、広告、コマース・・・メディアのマネタイズ76の方法
(huffingtonpost) - マネタイズHacks:ネットサービスにお金を払ってもらうには mixiやpixiv、はてなの“手の内”
(IT Media) - いくら上手でも「マネタイズ」が出来ない人はプロにはなれない
(huffingtonpost) - 文化をマネタイズするのは難しい:日経ビジネスオンライン
(日経ビジネスオンライン) - AppleのクックCEO、「ユーザーの情報をマネタイズするのは間違っている」
(IT Pro)
※本記事は2016年4月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。
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